親が通院困難になったときどうする!?在宅医療の「居宅療養管理指導」について利用する手順や流れを詳しく解説




こんにちは、シンイチです。

この記事では、「居宅療養管理指導」について解説しています。

実は、半年ほど前、母が訪問歯科診療を受診した際に、「医療保険証」と「介護保険証」両方の提示を求められたことがあって「なぜ介護保険証が必要なの?」と疑問に思ったのがこの記事を書くきっかけです。

尋ねてみると、「居宅療養管理指導」で介護保険が適用されるとのこと。

長年、在宅介護をしているのに、恥ずかしながらこのとき初めて「居宅療養管理指導」を認識した次第です。

その後、ケアマネジャーに聞いたり、自分でも調べたりしています。

「居宅療養管理指導」は、在宅介護を継続するうえで欠かせないサービスのひとつなのに、なぜか認知度が低いようなので「居宅療養管理指導」についてまとめましたので参考にしてみてください。

 

通院が困難になったときどうすれば良いの!?

以前、眼科の医師に注意されたことがあります。

昨年、「特別障害者手当」を申請する際、眼の診断書を書いてもらうために訪れた眼科での出来事です。

「白内障が進んでいるのに放置したらダメだよ!」

「このままだと、光が認識できている眼も失明するよ!」

 

医師から、やんわりですがお叱りを受けました。

確かに4年前まで、大学病院の眼科で目薬を処方されていたので分かってはいたのですが、病院にかかりたくても連れて行けない現実があるのです。

ただ、面倒で放置している訳ではありません!

現に骨折治療中の母は、必要に迫られて整形外科には通院しているのですが、今年2月に右足のひざを骨折してからはストレッチャー付の介護タクシーでの移動を余儀なくされています。

介護タクシーだと、病院代よりも交通費が高かったりするので費用もかさみます。

それに移動だけでも大変なのに、病院の待ち時間も加わると母の体力的にも負担が大きいです。

 

「居宅療養管理指導」とは

僕のように親の通院が困難な理由に、「移動手段」「高額な交通費」「病院の待ち時間」がネックだという人も多いのではないでしょうか?

特に、身体の不自由な人にとっては、病院に移動するだけでも高いハードルです。

「居宅療養管理指導」とは、そういった通院が難しい方のために医師や薬剤師などが患者の自宅を訪問して健康管理や指導を行ってくれる在宅医療です。

「居宅療養管理指導」の概要は、下記のようになっています。

 

第六章 居宅療養管理指導

第一節 基本方針

(基本方針)

第八十四条 指定居宅サービスに該当する居宅療養管理指導の事業は、要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医師、歯科医師、薬剤師、看護職員、歯科衛生士又は管理栄養士が、通院が困難な利用者に対して、その居宅を訪問して、その心身の状況、置かれている環境等を把握し、それらを踏まえて療養上の管理及び指導を行うことにより、その者の療養生活の質の向上を図るものでなければならない。

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準/(平成十一年厚生省令第三十七号)

 

利用対象者

「居宅療養管理指導」を受けられる対象は、要介護1~5の65歳以上の高齢者です。

ただし、40歳~64歳であっても、パーキンソン病や末期がんなどを含む全部で16種類の特定疾病のいずれかにより要介護認定されている方も含まれます。

要支援1~2を受けている方は、「介護予防居宅療養管理指導」が適用されるので同様のサービスを受けることが可能です。

 

「居宅療養管理指導」と「訪問診療」「往診」の違い

在宅医療サービスは、「訪問診療」「往診」と「居宅療養管理指導」の3種類あるのですが、混同しやすいのでここで整理しておきたいと思います。

これらの3つの在宅医療は、医師が通院することが困難な患者に、自宅に訪問して療養生活の向上を図るところまでは同じです。

まず、「訪問診療」と「往診」の違いは、「定期的」に訪問するかどうかの違いです。

我が家は月2回、定期的に在宅医に訪問していただいている在宅医療サービスを受けているのですが訪問診療にあたります。

往診は、患者の求めで必要に応じて訪問するため計画的でないのが特徴です。

 

次に、「居宅療養管理指導」と「訪問診療」「往診」の違いは、「医療行為」が行われるかどうかの違いです。

「訪問診療」「往診」は治療するために医療行為が行われますが、「居宅療養管理指導」は健康管理上の助言や指導をすることが目的になるので医療行為は行われません。

これらを表にしてみると分かりやすいです。

 定期的に訪問医療行為適用保険
  往診医療保険
  訪問診療医療保険
居宅療養管理指導介護保険

 

△にしてあるのは、医師の場合「居宅療養管理指導」だけで訪問するケースはあまりないようです。

我が家のように、往診や訪問診療時と組み合わせて対応するケースがほとんどみたいですね。

実は長年、母は在宅医による訪問診療のお世話になっているのですが、改めて領収書を確認すると「居宅療養管理指導」の項目に、毎月590円請求されていました。

と言うことは、僕が知らなかっただけで訪問診療と合わせて「居宅療養管理指導」を利用していたことになります。

まあ、病院の領収書には項目がたくさんあるので、いちいち確認していなかっただけの話ですが灯台下暗しとはこのことですね(笑)

 

「居宅療養管理指導」が受けられる専門職のサービスの内容

「居宅療養管理指導」を受けることができる専門職は、医師の他にも薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士などがあり、サービスの内容も指導する側の職業によって異なります。(看護師による居宅療養管理指導は、2018年度の介護報酬改定にて廃止。)

 医師や歯科医が行う居宅療養管理指導

診断に基づく、継続的な健康管理や指導を中心に行われています。

  • 処方されている薬の服用方法や副作用についての指導。
  • 治療に使われている医療器具の管理。
  • 一人暮らしの高齢者、老老介護などで困っている人に在宅介護のアドバイス。
  • 利用者にとってよりよいケアプランとなるように、ケアマネジャーに情報を提供。

母は、在宅医から処方されている薬の服用方法や副作用についての指導を受けています。

また、減薬に精力的に取り組んでいただいて、今では大学病院からシフトした3年前の2/3の量になりました。

その他にも在宅介護を継続するうえで、母の体調の変化やいざという時の対処も含め、すべて在宅医の判断に委ねているので僕の負担は相当軽減されています。

訪問回数は、月2回までです。

 

薬剤師が行う居宅療養管理指導

薬剤師による「居宅療養管理指導」を利用していませんが、月2回薬局に薬を引き取りに行っているのである程度は想像できます。

長年、スギ薬局さんなのですが、薬を引き取りに店頭に行くといつも受け渡してくれる薬剤師がいないことがあります。

「患者さんに、薬を持って行っているので代わりに対応させていただきます。」と言われるので薬のデリバリーしていることは知っていました。

今、思うと「居宅療養管理指導」の業務のことですね。

  • 薬の管理方法や服薬のアドバイスと指導、副作用などについて説明。
  • 副作用のチェック
  • 服用しやすい用法に変更できるかなど処方変更の提案。
  • 医師やケアマネへの情報共有。

薬剤師の「居宅療養管理指導」は、医師から処方された薬を利用者の自宅に届けるだけでなく、お薬の服薬指導や管理方法のアドバイスが行われています。

訪問回数は、勤務地によって異なり病院勤務は月2回まで。薬局勤務は4回までです。

(がん末期や中心静脈栄養を受けている利用者は月に8回以内)

 

管理栄養士が行う居宅療養管理指導

栄養や食事について困り事のある利用者や家族に対し、主治医の指示に基づいて管理栄養士が自宅を訪問し、栄養や食事の管理を行います。

  • 食事相談を受ける。
  • 医師の指示を受け、栄養バランスを整えるための「栄養ケア計画」の作成。
  • 身体状況に合わせた食事メニューや調理方法の指導。

訪問回数は2回まで。

 

歯科衛生士が行う居宅療養管理指導

昨年、母が口内炎がもとで入れ歯を入れられなくなったとき、計8回訪問していただきました。

このとき、治療と並行して入れ歯のお手入れ方法、舌ケアの重要性についてレクチャーしていただいています。

  • 正しい歯磨きの方法や入れ歯の清掃方法の指導。
  • 摂食や嚥下機能(飲み込む機能)に関するアドバイス

 利用者本人やその家族に、正しい歯磨きの方法や入れ歯の清掃方法、嚥下機能を回復させることの重要性などに関するアドバイスや指導が行われます。

訪問回数は4回まで。

 

「居宅療養管理指導」の利用料について

「居宅療養管理指導」の費用は、医師や薬剤師など、訪問指導する職種によって料金に違いがありますが1割負担だと、訪問1回につき約300円~600円までといったところです。

母の場合、医療保険による訪問診療を受けているので295円×月2回で590円になります。

 

 

同一建物居住者1人

同一建物居住者2~9人(老人ホームなどの施設)

同一建物居住者10人以上(老人ホームなどの施設)

医師が行う場合
(医療保険による訪問診療を受けている場合)

295円

285円

261円

歯科医師が行う場合
医師が行う場合
(医療保険による訪問診療を受けていない場合)

509円

485円

444円

薬剤師が行う場合

病院の薬剤師が行う場合

560円

415円

379円

薬局の薬剤師が行う場合

509円

377円

345円

管理栄養士が行う場合

539円

485円

444円

歯科衛生士が行う場合

356円

324円

296円

※利用料1回あたりの1割負担の基本料金です。

「居宅療養管理指導」は介護保険適用ですが、介護保険の支給限度額の対象にはなりません。

そのため、他のサービスで介護保険の支給限度額を満額利用していても、訪問限度回数を超えなければ1割~3割の負担で利用することができます。

また、医師や薬剤師など違う職種による居宅療養管理指導は、それぞれが決められた回数内であれば介護保険が適用となり、組み合わせて利用することも可能です。

 

往診や訪問診療時と組み合わせて利用した場合の費用

母のケースです。

■在宅医による訪問診療(月2回)

月々の支払は、1.2000円~15.000円のあいだと言ったところです。

その中に、訪問歯科診療の590円も含まれています。

費用の内訳は、「医療費(医療保険)」+「居宅療養管理指導(介護保険)」です。

いつも在宅医と看護師の2人で訪問していただいていますが、看護師の方には居宅療養管理指導費はかかっていません。

 

■訪問歯科診療(全8回)

全8回で、治療が完結。かかった費用の総額は、2万3.000円でした。

この中に新しく作り替えた入れ歯の費用や、居宅療養管理指導費も含まれています。

こちらも「訪問診療」と「居宅療養管理指導」が組み合わさった形です。

在宅医のケースと同じく診療費や治療費などの医療費は医療保険が適用され、居宅療養管理指導は介護保険が適用されています。

居宅療養管理指導費は、歯科医師と歯科衛生士の2人で訪問されていたので509円+356円です。

 

中には、車代が別途かかる医療機関もあるようです。

費用も、症状や治療方法で異なるかと思いますので医療機関にお問い合わせください。

訪問歯科診療にかかった費用の詳細は、こちらの記事に記載しています。

 

「居宅療養管理指導」を利用するときの手順や流れ

居宅療養管理指導は、介護保険が適用されるのでケアマネジャーなしでは始まりません。

とりあえず、ケアマネジャーに相談すれば居宅療養管理指導を行う事業所を探して準備を整えてくれると思います。

手順としては

  1. 担当ケアマネジャーに相談。
  2. ケアマネジャーが、居宅療養管理指導を行う事業所を探して検討。
  3. 居宅療養管理指導を行う事業所と、サービス利用の契約を結ぶ。薬剤師や管理栄養士などからサービスを受けるためは、医師による指示が必要なのでケアマネは必要に応じて主治医に連絡。
  4. 主治医の指示に基づくサービス開始。

 

一般的には、ケアマネジャーに委ねて目的の医療サービスを探してもらう流れになりますが、在宅医や訪問看護師も担当する他の患者さんで接点があったりするので情報を持っている可能性が高いです。

知っている人に聞くのが、より近道なので尋ねてみるのも良いでしょう。

また、日頃お世話になる歯医者や、薬局の人が安心だと思われる方は直接問い合わせされるのも一考です。

僕の場合も、介護保険が適用されるとは知らなかったのでネットで調べた歯科医に直接電話をしています。

この歯科医が、ケアマネジャーと在宅医のいる病院にも連絡を取ってくれました。

在宅医には、あらかじめ相談していたので歯科医が決まった時点で、紹介状を歯科医にファクスしていただいています。

ケアマネジャーには事後報告になりましたが、特に問題は無かったです。

 

おわりに

「白内障になるよ!」とお叱りを受けた眼科の件ですが、その後、ネットで訪問していただけるところを探して現在はメンテナンスしていただいています。

半年に1度、これまでに計3回訪問していただいているのですが、こちらは医療保険だけでしたので「往診」扱いです。

往診後に、僕が医療保険証を携えて眼科に清算に行っています。

放置していた僕が言うのも変ですが、放っておくと重篤な病気につながる可能性があるのでやはり良くないです。

母の口内炎にしても、合っていない入れ歯をそのままにしていたのが原因かもしれません。

事情により通院が困難な人でも、医療が受けられるようにするために、これらの在宅医療サービスがあります。

在宅介護を継続するうえで、在宅で医療を受けることはポイントになるので「往診」「訪問診療」「居宅療養管理指導」のことを知って、在宅医やケアマネジャーに相談して活用してみてください。

 

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ABOUT US

シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。