奈良公園は自然が織りなす神社仏閣のテーマパーク!!シカと触れ合って優しく見守ってあげて




ひと昔と比べると、奈良公園はいつ行っても外国人観光客で賑わって活気がありますね。

さしずめ奈良公園自体が、自然が織りなす神社仏閣のテーマパークのようにも見えるので不思議なものです。

加えて奈良公園のシカが、観光客をもてなしていい仕事をしてくれています。

外国人観光客のシカのウケはとても良く、お目当てのシャッタ―シーンになるまで付き合ったり、子供たちと戯れたりと、シカの存在が本当に大きいと感じずにはいられません。

あまりの盛況ぶりに、シカはフル稼働で忙しそうです。

「人不足」ならぬ「鹿不足」では!?

昼寝の時間もないやんけー

 

とシカの小言が聞こえてきそうです。

今回は、奈良の観光に一役買ってくれている「奈良のシカ」について、シカ情報をいろいろ集めてみました。

 

「奈良のシカ」過去最多の頭数に!

明治のはじめに、奈良公園周辺に生息する「奈良のシカ」の頭数が38頭までなって絶滅に瀕した歴史があることをご存知ですか?

この時代にシカが激減した理由の1つは、幕末の混乱に伴う密猟です。

しかし、それに輪をかけたのが、明治のはじめに奈良県令になった人物、四条隆平(たかとし)の暴挙でした。

御維新の意向を背に、「迷信の打破」を叫びとんでもない政策を行ったことで有名な人です。

シカについても、田畑を荒らす害獣と決めつけ容赦なく銃殺したほか、700頭以上柵に閉じ込めたため餌不足や病気などで次々と死亡。

さすがに、見かねた奈良の人たちが、四条県令が去ったあと、シカを柵から解放して殺傷禁止区域を設けるなどしてシカの復活を目指し現在に至ります。

その甲斐もあって今では、昭和30年に調査を始めて以来、最も多い1360頭にのぼっていることが保護団体の調べで分かりました。

昨年のデーターですが、前年度より134頭多いそうです。

238頭の小ジカが生まれた一方で、188頭のシカが病気や交通事故で死んでいます。

 

ホルンの音色で「鹿寄せ」

シカの保護に取り組む職員がホルンを吹くと、次々に駆け寄って来るシカたち。

毎年この時期に行われる鹿寄せです。

集まってきた鹿は、好物のドングリがお目当てで、たくさんのシカが一斉に駆け寄ってくるので大迫力です。

シカ寄せは、来月13日まで月曜日を除く毎日午前10時に行われます。

この風物詩は、一見の価値アリです。

 

鹿の保護施設の鹿宛(ろくえん)とは

 事故でけがをしたり病気になったりした「奈良公園のシカ」は、鹿宛(ろくえん)と呼ばれる施設で保護されています。

また、妊娠しているシカや奈良公園から遠く離れた場所へ行くクセがついてしまったシカなども収容の対象です。

毎年、保護された奈良公園のシカのエサにしてもらおうと、多くの市民が平城旧跡など、主に奈良市内で拾い集めたドングリを届けています。

ある地元の観光ガイドの団体が、今シーズンに送ったドングリは、1トンを超えるというのですから驚きです。

施設には、例年5トン~7トンほどのドングリが届けられ、保護されている数百頭のシカに1年を通じて与えられています。

奈良の鹿愛護会では、ドングリの一般の寄付も受け付けています。

シカたちが安全に安心して食べられるように、出来れば乾燥させてお持ちくださいとのことです。

鹿宛は、一部公開していますので見学できます。

場所は、春日大社山道の南側にあります。

6月には、かわいい小鹿が一般公開されますし、秋の有名な年中行事「鹿の角きり」もここで行われます。

興味のある方は、HPをチェックしてみてください。奈良市観光協会サイト

 

奈良公園のシカのふんは誰が掃除をしている?

奈良公園の“シカのふん”、後始末はどうしているのだろうと不思議に思ったことはありませんか?

あの広大な公園内を、人の手で掃除をするとなると莫大な維持費がかかると思いますが、実は、奈良公園にはシカのふんをエサにする「糞虫」と呼ばれるコガネムシがおよそ60種類いて、掃除を一手に担っています。

糞虫のサイズは、約5ミリ~30ミリほど。

シカのふんの中に潜り込み、1日で黒豆大の大きさのふんを分解してしまいます。

その際、ハエが産み付けた卵も一緒に食べてしまい、ハエの発生も防いでくれるというのですからありがたいかぎりです。

糞虫のおかげで、奈良公園が清潔に保たれていると言って過言ではありません。

しかも、分解されたふんは芝の肥料になり、その芝はシカのエサになるというシカ・糞虫・芝の三位一体の好循環が奈良公園を支えています。

まじめな話、もし、糞虫がいなかったら・・・

あれだけのシカが生息しているのです。

公園内は、あっという間にフンだらけになってしまうでしょう。

 

昨年「糞虫館」がオープン

奈良公園で、シカのふんをエサにして掃除に一役買っている「糞虫」と呼ばれるコガネムシのことを広く知ってもらおうと、公園の近くに標本などを展示する博物館が昨年オープンしました。

ここには、動物のふんをエサにする世界各国のコガネムシ、およそ100種類の標本が展示されています。

奈良公園を代表する「ルリセンチコガネ」は、大きさが2cmほどで、瑠璃色に輝く羽根が特徴です。

フンコロガシと言うと、聞こえは汚い虫かなと思いがちですが、すごくきれいでその魅力に愛好家も多いといいます。

ちなみに、国内には150種の糞虫が生息。

そのうちの1/3以上が、奈良公園にいるというのですからビックリします。

愛好家のあいだでは“糞虫の聖地”と呼ばれているらしいです(笑)

奈良公園に行った際、訪れてみても面白いと思います。

 

あくまで「奈良のシカ」は野生動物

奈良公園周辺に生息するシカは、「奈良のシカ」として国の天然記念物に指定され大切に保護されていますが、その一方で奈良市郊外では、増えすぎたシカによる農作物の被害が深刻になっています。

奈良県は国の許可を得たうえで、一昨年7月から奈良公園から離れた市郊外6か所に限定して上限を設けてシカの捕獲を進めています。

また、「奈良のシカ」に突き飛ばされるなどして、今年度これまでに8人が骨折するなど、ケガをする人は過去最悪のペースで増えています。

観光客が、シカに突き飛ばされるなどしてけがをした人が、これまででもっとも多かった昨年度の186人を超えて、今年度は先月末までに209人に上り過去最悪を更新しているというのです。

このうち8人は、シカに突き飛ばされたり驚いたはずみで転んだりして、腰などを骨折する大けがをしています。

骨折した人は、記録が残っている昨年度までの8年間で合わせて10人でしたが、今年度は特に急増しているということです。

また骨折をした人のうち5人は外国人観光客で大けがにつながる事故の多くは、シカの気性が荒くなる9月~11月の発情期に集中しています。

奈良県は、「奈良のシカ」は人になれてはいるが、あくまで野生動物でありそっと見守って欲しいと注意を呼び掛けています。

鹿せんべいを与えるときは、焦らさず素早く与えるなど、優しく接してシカによる事故に遭わないよう気をつけましょう。

 

まとめ

サイクリングを趣味にしてから、奈良公園によく行くようになりました。

おそらく、人生で訪れた回数よりこの2年の方が多いと思います。

僕は、奈良県に住んでいると言っても奈良市には遠く、中学生くらいまでは遠足の定番でしたが、大人になってからは足が遠のいていました。

今、あらためてシカを観察すると、観光客が多くてとにかく忙しそうです。

昔は、鹿せんべいを購入した瞬間から、ちょうだいアピールのお辞儀を連発していましたが、現在は鹿せんべいを見てもノーリアクション。

もらいすぎて、お腹がいっぱいなのだと思いますが、ストレスも溜まっているように感じます。

「奈良のシカ」は、春日大社の神の使いなのに、こんなに働かせていいものかと思わずにはいられません。

千数百年のあいだ人とこの地で共存してきた「奈良のシカ」が、この時代に外国人観光客の接客を担うとは誰が想像できたでしょう。

「奈良のシカ」自体が、観光資源の1つであるのにも関わらず、自ら売り込んでくれているのですからありがたいかぎりです。

そんな「奈良公園のシカ」に奈良県民は、何ができるのか?

もう少し、関心とねぎらいの気持ちを持ちたいものですね。

 

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シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。