車への未練を断ち切らせるために僕がしたこと!?ごねる親の車を廃車にした1年後




先日、このブログを読んでくださったテレビ制作会社の方からご連絡をいただきました。

社会問題になっている高齢者の運転について調査しているので、その後の状況を聞きたいとのこと。

廃車にしたあとの父の様子と、免許返納が完了しているのかも尋ねられましたので、分かる範囲でお答させていただきました。

実は、免許返納はすでに済ましています。

クルマを廃車にしたあと、しばらくしてから免許を返納させました。

今回は、免許返納までの道のりと、その後の父の様子を記事にさせていただきますので参考にしてみてください。

 

廃車にしてもクルマに執着する父親

実のところ廃車にしたとき、免許返納までは考えていません。

廃車にして、免許の有効期限が過ぎるまで放置しようかと思っていたのですが、その目論見は甘かったです。

しばらくは静かだったのですが、やはり車がないと不便だったのでしょう。

「軽トラがないと畑作業ができない!」

「運転しなくなると感が鈍って、このまま運転できなくなる!」

何かにつれ、愚痴をこぼしはじめたのです。

放っておくとそのうち車を購入しかねないと思い、父親の車への未練を断ち切るためにも免許返納はさせなければならないと思うようになりました。

 

免許返納の方法は?

父に、車の運転を諦めさせるために1年以上にわたり、毎日のように説得?(はた目には、怒鳴り合いの親子喧嘩にしか見えない)をしてきましたが上手くいかず。

結局は、勝手に廃車という最終手段を実行しましたが、説得にもたついているあいだも父親は車に乗っていたので僕も必死でした。

いくら時間をかけて説得したところで、魔法でもかけなければ父が納得することは無いというのが僕の結論でしたので、免許返納も何の前触れもなくいきなり警察署に連れて行っています。

 

免許返納に必要なものは、運転免許書と印鑑だけです。

もちろんお金は要りません。

署員から、「返納すれば、今から車は乗れませんよ」と一言声をかけられ、父が同意すると運転免許書をパンチでパチパチ3箇所穴を開け、裏に失効の印をポンと押したらハイ終わりです。

免許を取得するのは大変ですが、免許返納は一瞬の出来事にあっけなすぎて拍子抜けしました。

父親に付き添って警察署で免許返納させた訳ですが、思いのほか上手く行って良かったです。

警察署館内という自宅と違う状況が、上手く作用したように思います。

まあ、多少揉めて恥ずかしかったですが、署員の方も会話から何となく事情を察してくれている対応をしていただいて助かりました。

さすがの父親も、場所が場所だけに警察署でわめき散らすことはなく最後は観念した格好です。

 

運転免許返納したことによる悪影響は?

事故を起こして、他の誰かを傷つけるのが最悪のシナリオですが、やみくもに免許返納を強行して認知症になってもらっても困るのは僕です。

免許返納後、どのような生活になるかはやはり心配でした。

父親に限れば、車の運転ができなくなったことで悪い影響があったのかと聞かれると、多少あると感じています。

運転しなくなって1年余り経ちますが、「もの忘れ」が確実にひどくなっています。

確かに、これまでもよく探がしものはしていました。

しかし、後日見つかったりして実際に紛失することはなかったのですが、最近、財布や腕時計を立て続けに紛失しています。

しかも、財布にどれだけ入っていたかも把握できていないようです。

極めつけは、ガスコンロの消し忘れ。

火をつけたまま外出して帰宅したのは1時間後でしたので、僕がまだ会社勤めをしていたら完全にアウトです。

日付を確認しても、何月かも分からない時もあります。

ただ、82歳という年齢を考えると車を取り上げてなくてもこの1年で「もの忘れ」はこの程度進んでいたかもしれません。

 

免許返納後のフォローは?

身分証明証がわりに「免許経歴証明書」を持たせる

父には「免許経歴証明書」を持たせました。

 

しかし、活用している形跡が無いので、「マイナンバーカード」を作った方が良かったと思っています。

単なる身分証明のためだけなら「免許経歴証明書」よりも「マイナンバーカード」の方が使い勝手が良いです。

マイナンバーカードとは、マイナンバー(個人番号)が記載された写真付きのカードです。

 

ブラスチック製で氏名、生年月日、性別、マイナンバーと本人の顔写真が表示されますので本人確認の際の公的な身分証明書になります。

あれだけもめにもめて、政府が押し切って推し進めたマイナンバー。

今のところ、これと言って上手く運用されているようには思えませんが、役所関係の手続きは運転免許証ではこれまでのように身分証明証として使えなくなっています。

全て、マイナンバーに切り替わっているので、この際カードにしておくことをおすすめします。

それに、「免許経歴証明書」を作るにも手数料1.000円と申請写真の費用も必要になるので同じ作るならマイナンバーカードが推しです。

ただ、「免許経歴証明書」には、タクシーやバスの運賃割引などの特典があるので利用される方は作っておいた方が良いでしょう。

 

自転車を購入

生活の足がなくなり、引きこもりになってもらっても困るので、クルマの代わりと言ってはなんですが自転車を購入しました。

あまり乗っていない古い自転車があったのですが、この際、買い換えてちゃんと自転車保険にも加入しています。

父は、畑に行って土いじりをするくらいしか趣味はありませんが、今は種を植えても作物ができたりできなかったり。

頭は相当怪しいですが、体は元気で介護保険も活用することなく自転車を引っ張って畑に行っています。

 

おわりに

事情はどうであれ80や90歳になって、いつ寿命が尽きてもおかしくない歳まで運転していること自体異常です。

ものごとには、始まりがあれば終わりがあるように、クルマの運転もけじめをつけなければならないのがごく自然なことだと僕は思っています。

それでも、最近の高齢者ドライバーに対する、すさまじい風当たりの強さは少し気の毒な気もしますが、これが身内となれば話は別です。

もし、父が死亡事故を引き起こしてしまったら・・

母の介護だけでも大変なのに、考えただけでもぞっとします。

結局、僕がしたことは勝手に廃車にして、無理矢理に免許を返納させただけです。

本人が納得して自主返納してくれたら良かったのですが、対話ができない状態の父親に、なりふりなんて構っていられる余裕などありません。

物忘れが進んでいる父を見ていると手放しでは喜べませんが、それでも問題が1つやり過ごせたことに胸をなでおろしています。

 

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ABOUT US
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シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。