ストーマ装具の費用を見直すには!?モレないことが最優先だけれども維持費を考えることも大切




ストーマ装具の選定は、モレないようにするのが最優先ですが費用についても配慮しなければなりません。

なぜなら、ストーマ用品は本体のパウチをはじめ備品の価格が高いうえに消耗品だということ。加えて、給付制度の給付額を超える分は自己負担になるからです。

おそらく、我が家のように給付額を超えた分を自己負担されているご家庭も多いのではないでしょうか?

今回は、ストーマ用品を経済的な視点で解説いたしますので参考にしてみてください。

 

ストーマ装具の費用を見直すには維持費を把握することが重要です。

長年、パウチから便がモレやすい悩みを抱えてきました。

原因は、水様便。

パウチにたまるのは、便と言うよりは水なので管理も難しいものがあります。

費用についても、モレを防ぐために貼り替える頻度や備品も多くなってしまい経済的な負担を強いられてきました。

相当な負担をしていることは分かっていましたが、会社勤めをしていたころはモレないようにするだけで手一杯で、コスト面まで気が回らなかったというのが正直なところです。

 

1か月の装具交換にかかる費用を知るのが先決

維持費を把握するには、1か月の装具交換にかかる費用を知るのが先決です。

計算式は、1回の装具交換にかかる費用に1か月の交換回数をかけるだけで算出できます。

1か月の装具費用=

1回の装具交換にかかる費用×1か月の交換回数 

 

例 母親の場合を計算すると

現在、母は1回の装具交換に2つの商品を使用しています。

パウチ920円+アダプト保護シール550円

パウチ交換のとき、パウダーと剥離剤も使用していますが適量なので今回は計算に入れません。

1週間に2回交換しているので、1か月の交換回数は8回です。

1か月にかかる費用は
(920円+550円)×8回=11.760

 

11.760円が、1か月の維持費になります。

自治体の給付額が8.600円なので、1か月3.160円のマイナスです。

実際には、途中でモレたり入院して大量消費することもあるので、自己負担額は月々最低3.160円と言うべきでしょう。

このように、維持費を1か月当たりで計算すれば経済的な負担が分かりやすくなると思います。

 

パウチの交換回数を見直す

給付額に収めるために手を付けやすいのが、価格が一番高いパウチです。

ただ、コストカットのために、せっかく身体に合ったパウチを換えてしまうのはおすすめではありません。

新たに合うパウチを探すとなると、便モレや皮膚の炎症を招くリスクがつきまとい相当な労力を必要とするからです。

それよりも、現在使用しているパウチの1か月の交換回数を1回でも減らせないか探ってみましょう。

僕は、週2回交換から5日使用して交換するサイクルに変えてみました。

こうすることで、1か月のパウチの交換回数が8回から6回に減り、1.840円のコストカットになります。

 

週2回交換だった理由

もっと早く5日交換にすれば良かったのでは?とご指摘を受けそうですが、週2回で交換していたのには訳があります。

1つは、入浴後のパウチの粘着力に不安があったこと。

あと、母が使用していたパウチの装着期間が4~7日の設定だったことです。

入浴が週1回なので、パウチが7日装着できれば言うことありませんが、母は水様便のためか面板部分を便液が溶かしてしまうのでとても7日は持ちません。

使用している感じでは、4~5日が適正期間と言ったところでしょうか。

そして週1回の入浴後には必ず交換するので、必然的に週2回交換になってしまいます。

前回の記事をなぞりますが、会社勤めをしているときは僕が不在の便モレ対策に苦労していました。

当時は、入浴後も使用を継続して見極めようなんて冒険する余裕もなかったですし、そんな発想すらなかったです。

 

アダプト保護シールを半分にする

アダプト保護シールは、ストーマ周囲の皮膚にくぼみができてしまい、便モレするようになって使用するようになりました。

かれこれ10年近く使用していると思います。

元々の形が、リング状になっているので少し広げて使用していたのですが、これを半分に切ってリング状に成型し直して試したところ意外にいけました( ゚Д゚)

従来 550円×1か月の交換回数8回=4.400円

現在 275円×1か月の交換回数6回=1.650円

アダプト保護シールの費用だけで、1か月2.750円のコストカットは大きいです。

しかし、やってみないと分からないものですね。

 

備品を代用する

ストーマのケア商品は、給付券で購入できるものも多いですが価格が高いので家庭用の商品で代用できるものはするようにしています。

さすがに、パウチを剥がす剥離剤のような特殊なものは代用できませんが、ストーマ周囲を清拭するために使う洗浄液は市販のボディーソープで代用しています。

ボディーソープは、弱酸性の泡タイプがお肌にやさしいのでおすすめです。

 

また、パウチ交換の清拭に使う、皮膚に付着した便の汚れやソープを拭き取るガーゼもキッチンペーパーで代用しています。

キッチンペーパを使用する際は、ぬるま湯で湿らせて軽くたたくようにしながら皮膚にダメージを与えないように注意して汚れを拭ってください。

 

フリマアプリで購入する

僕は、アダプト保護シールとパウダーはできるだけフリマアプリで購入するようにしています。

アダプト保護シールは、開封した残りが出品されていることが多いですが、パウダーは新品でも2割安くらいの価格でよく出品されているのでお得です。

購入する際の注意点は、こういった類は不要になって長期保管をしている人も多いので必ず消費期限を確認するようにしてください。

出品者の保管状態が分からないので、消費期限がわずかなものは避けた方が無難だと思います。

ちなみに、母が使っているホリスター社の商品は消費期限が4~5年のものがほとんどです。

ストーマ用品は、特殊なので常に出品されている訳ではありませんが、保管が利くので見つけたときが買い時と思って購入しておくと良いでしょう。

 

おわりに

ストーマ用品を、経済的な視点でみてきましたがいかがでしたか?

僕は、パウチの交換回数と保護シールを半分に見直すことで、1か月の装具交換にかかる費用が11.760円から7.170円となり給付額に対しても3.160円のマイナスから1.430円のプラスに転じました。

今は、この浮かしたお金を剥離剤や便モレしたときのパウチの予備費に充てています。

人それぞれ状態や使用している商品も異なるので、同じやり方で費用の見直しはできないと思いますが工夫次第で節約する余地はあるはずです。

調べると、ストーマ外来でも、ストーマのトラブルだけでなくこう言った費用についても受け付けてくれるようなので相談してみてください。

この記事を通じて、ストーマ装具の出費に困っている方がすこしでも改善できるきっかけになれば幸いです。

 

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シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。