要介護認定の評価項目について!立ち会う家族の役割と伝えるべきポイント




過去に、前回よりも軽く要介護度が評価された経験があります。

それは、2度目のとき。

ちなみに、要介護認定を更新をすること4度で要介護度は3→2→3→5です。

当時は、なぜ介護度が軽く評価されたのか分かりませんでしたが、知識を深めた今なら分かるような気がします。

今回は、僕の失敗経験から要介護認定調査での立ち会う家族の役割と伝えるべきポイントについてまとめておきますので参考にしてみてください。

 

要介護認定調査とは?

要介護認定調査とは、要介護認定申請後に行われる聞き取り調査のことです。

要介護度を決定するために、本人や家族に聞き取りを行い要介護者の心身の状態を確認します。

所要時間は、約40~50分というところでしょうか。

これまで我が家に来られた調査員の大半は、市区町村から委託された特養など施設に勤務するケアマネジャーです。

同じ人が来られたことがないので、そのような配慮もあるのだと思います。

介護認定調査の場所は、自宅でなくても大丈夫です。

母も、4度目は大腿骨骨折をした直後でしたので、車で40分ほどかかる大学病院までご足労いただいています。

要介護認定調査の仕組みについては、こちらの記事に記載していますのでご確認ください。

 

要介護度は前回よりも軽く評価されることもある

「なぜ、要介護度が3→2に軽くなる?」

必ずしも、想定していた認定結果が出るとは限らないことは理解できます。

ですが、年月の経過とともに母は不自由になっていっているのに、前回よりも軽く評価されたことに納得できませんでした。

それでも、介護保険審査会に不服の申し立てをしようとまで思わなかったったのは、要介護認定の仕組みについての知識が僕には無かったからです。

当時は、仕事と介護で手一杯。

原因を調べる気力さえなかったです。

要介護度が軽く判定されたことに不満が残りましたが、介護保険の財源がひっ迫している現状を考えると、判定基準が厳しくなっているのだろうと納得するしかありませんでした。

 

要介護認定調査で精査されるポイントは?

介護度は、何を基準に決まるかを知っておいた方が良いと思います。

なぜなら、僕は長らく「病気の重さ」も要介護度の判定を左右すると勘違いしていたからです。

低ナトリウム血症のこと、腸閉塞になりやすいこと、週3回点滴をしなければならなくなった経緯のことなど一生懸命話していました。

僕は、これまでいかに闘病生活が大変なのか母親の病状について伝えていましたが、要介護認定の趣旨とはズレています。

確かに、認定調査では生活環境や病歴も尋ねられます。

しかし、要介護認定に限っては介護が必要となった原因や経緯を知るためのもので、どちらかと言うと評価項目ではありません。

認定調査では、体の動作や認知機能など介助がどのくらい必要なのかを中心にチェックが行われます。

それは調査の一番の目的が、日常生活の動作がどれだけ可能かということを調べることにあるからです。

逆に言えば、どれだけ介助を必要としているのか「介護の手間」を調べています。

 

 「介護の手間」とは?

介護の手間とは、ご家族が介助に要する時間のこと。

認定調査の目的は「介助に要する時間」を調べることです。

介護に要する時間=介護度

になるので、「介護の手間」を伝えることがポイントになります。

要介護5の母の場合を調査員に説明するなら

  • 食事は、車いすでテーブルでしている。目が不自由なのでスプーンで口元まで運んでいる。
  • 着替えは、自力不可。骨折した右腕、右足が曲げられないので、衣服の着脱はかなり手間取る。
  • 寝返りが打てない。
  • 尿の排泄方法は、家族がおむつの管理。
  • 便の排泄方法は、人工肛門なのでストーマの管理。
  • 車いすへの移乗
  • 点滴管理のサポート

 

加えて、困りごとがあればそれも対象になるので伝えてください。

例えば、ストーマ管理について、水様便のため剥がれやすく便がモレやすく困っている。

これを付け加えることで、パウチの定期的な張り替え以外にも介助に時間を費やしていることが想像できます。

このように普段どのような介助をしているのかを、具体的に細部に渡って説明する必要があります。

 

 立ち会う家族の役割は?

認定調査は、家族が同席しなくても要介護者ご本人だけでも行えます。

しかし、上記の「介護の手間」をどれだけ伝えられるかを考えたとき、正確な評価結果が得られるのかは疑問です。

それに、ご本人からは言いづらいこともあるかと思います。

また、普段出来ない動作をその時だけやってのけたり、羞恥心から見栄を張った回答をされる人もいるかもしれないので、やはりご家族のサポートがあった方が良いでしょう。

 

実は、2度目の要介護認定調査は、僕ではなく父親に同席させました。

父親は、介助に携わっていないので何も分からず、本当に座っていただけだと思います。

調査員にしっかりと理解してもらうには、「介護の手間を丁寧に伝えること」が重要になるので、普段の介助を把握している人でないと意味がありません。

立ち会う家族は、1つ1つの質問に現在の状況を詳しく説明するとともに、できること、できないこと、日常生活全般で困っていることを伝えることに時間をかけるようにして下さい。

まあ、当時は僕も認定調査について何も分かっていませんでしたので、どちらにせよ同じ結果が出たかもしれないですね(笑)

 

 おわりに

今回は、要介護認定調査で立ち会う家族の役割と伝えるべきポイントについて記しましたが、いかがでしたか?

例え、複数の病気を患っていても、病状が安定していて心身の状態が介護を必要としていなければ介護度に反映されないので「病気の重さ」と「介護の手間」は分けて考えた方が分かりやすいと思います。

それと立ち会う家族の役割は大きいので、認定調査にはできるだけ付き添ってあげてください。

 

スポンサードリンク







ABOUT US
blank
シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。