ごねる親に免許の自主返納は困難!無理やり廃車にするまでに僕がしたこと




毎日のように報道されている、高齢者の交通事故!

「うちの親は大丈夫か!?」とヒヤヒヤされている方も多いのではないでしょうか?

僕にも81歳になる父親がいるのですが、「車の運転をやめて欲しい」と頼むと、すぐ大声で怒鳴るので困っています。

それも烈火のごとく・・・

いきなりトップ・ギアです。

僕としては母だけでも大変なのに、そのうえ父親まで車のトラブルを抱えるような事態にでもなれば、生活が破綻しかねません。

問題は切実です。

説得にもたついている間に、事故を起こさないかといつも不安に思っていました。

 

そもそも父との親子関係は最悪

確執と言えば大げさですが、父との親子関係は幼いころから最悪。

幼少期を振り返ると、自己中で奔放な父は、自営業の失敗や土地の裁判沙汰など常に問題を抱えるトラブルメーカでした。

というより、父親自体が爆弾みたいなもので家族が不安を抱えさせられていたようなものです。

家では、大黒柱である自分が大統領とでも思っているのでしょう。

家族の言うことは、全く聞く耳持たず。

特に、僕のことを毛嫌いしていたようなので、幼いころからほとんど会話すら無かったです。

自営業をするときも、家族の反対を押し切って玉砕。

その後の、土地の裁判沙汰もしかりです。

思いとどまらせるために、母方の親戚に頼んで説得してもらいましたがダメでした。

 

さらに追い打ちをかけるのが、姑とその周辺の親戚たち。

僕にとって父方の祖母、兄弟は、父にちょっかいを入れては家庭をかき回すようなことばかりする本当に厄介な存在でしかなかったです。

僕が中学くらいまでは、父は兄に雇用される形で小さな工場で働いていたのですが、母屋が近く姑がいつも厄介ごとを我が家に持ち込んできては家庭内がガタついていたので、母は我慢の日々だったと思います。

基本、人の不幸を陰で笑っているような陰湿な人たちです。

土地裁判のときには、兄弟にも裏切られ借金はなかったにしろ家庭は相当すさんでいました。

おそらく母の実家の支援がないと、母も持ちこたえられず家庭は崩壊していたと思います。

僕も、思春期の一番多感な時期に父親に振り回されて心休まることはなかったです。

中学になる頃から、クラブ活動に熱中して自宅に寄り付かなくなったのも自然の流れだと思います。

なので、父にも父方の親戚にも恨みしかありません。

 

81歳の父親に自動車免許書の返納を促すも

僕が社会人になってからは、眠るためだけの家だったこともあり、父親とはただ一緒に住んでいる同居人のような存在でした。

もちろん嫌いなので、大人になってからも会話はほぼ無かったです。

それが免許返納の話をしなければならなくなって、年老いた父と向き合わなくてはならない状況に。

そんな日が来るとは、夢にも思わなかったです。

僕が、説得して納得する父でないことは分かっていましたが、とにかく驚いたのは免許返納して欲しいと切り出すと、いきなり怒りだして話しにならないことでした。

しかも、言っていることが分からない・・・

いや、正確には言っていることは分かります。

「運転ベテランだから事故などしない!」

「スピード出さないから大丈夫!」

「近所走るだけだから危なくない!」

「80歳超えてもみんな車に乗っている!」

 

連日の高齢者ドライバーによる悲惨なニュースが、どこか違う世界で起っているかのような口ぶりなのですから何を言ってもヌカに釘です。

しまいには、「うるさい!気に入らんかったら出て行け」

という始末です。

とにかく、何を言っても一方通行で、会話のクラッチが合わないことに本当に驚きました。

父の様子を見ながら上手く話して丸め込んでも、30分も経たないうちに元の言い分に逆戻りするのですから、らちがあきません。

にわか日本語が分かる、人間の着ぐるみを着た頭の悪いゴリラに説得しているようなものです。

話がかみ合わない父親に、はじめて歳月が経ったのだと思い知らされました。

 

父親の様子を観察して・・・ やはり運転してはダメ!

父は、昔から軽薄で頑固でしたが、今改めて父親を観察するとやはり昔とは明らかに様子が違います。

感情の起伏の制御ができないばかりか、物忘れもひどいです。

財布や時計を探しているのは日常茶飯事ですし、電子レンジにも食べ忘れがよく残っています。

杖は必要ないですが、前かがみで歩いている姿はどう見ても老人です。

「このような人がクルマ乗ったらダメでしょう」と、思わず言ってしまいます。

 

もし事故を起こしてしまったとして。

ニュースになれば大抵の人は、「80歳超えているのに、その歳まで家族はなぜ放っておいたのだ!」と思われるでしょうし、なるべくして事故は起きたと思われるのに違いありません。

そして被害者だけでなく加害者の家族である僕にも、事故によってその後の人生に大きく影を落としかねません。

母親だけでも厳しいのに・・・

でも、父にはこの話は全く刺さりません。

父の言い分は、頻繁に車乘らないし勝手知った道を走るだけなので、俺は大丈夫だと言い張ります。

どこまで行っても、会話がかみ合わないのです。

僕も、段々腹が立ってきて、途中からいつも怒鳴り合いの喧嘩になってしまいます。

「俺は、この年まで無事故無違反なんだぞ!」

父親の口癖の1つですが、81歳まで無事故無違反でもダメなものはダメです。

 

警察に相談するも法規制の限界

父に、免許返納を促す良い方法がないかとネットで探しても、コレというのが見つからないので警察にも相談しています。

良い方法を教えてもらえないかと思い、ちょっと警察署に立ち寄っただけですが、席を用意して下さって30分ほど丁寧に受け答えしていただきました。

警察官からは、最初に「今の法律では、高齢だからと言って免許を取り上げることはできません」と言われました。

免許を返納することで、今まで1人で行っていた病院や買い物が困難になり、日常生活を送れなくなってしまう方がたくさんおられるからだそうです。

「田舎になればなるほど深刻な問題に既になっている現状では、これから先も年齢で線を引く訳にはいかないでしょう」ともおっしゃっていました。

あと、自主返納された高齢の医師の話もされています。

その方は、交通違反の2日後に免許返納に来られたそうです。

踏切通過後に警官に呼び止められて、一時停止を怠ったとして切符を切られたのですが、本人は一時停止をしたつもりだったらしく、この医師は自分の能力の低下が気になって自分で判断して免許を返納されたといいます。

それに引き換え、大半の方は能力の低下を認めようとせず、逆に自分の運転技術に過信気味。

そんな人に限って「自分だけは大丈夫」と警察に言うらしいです。

 

参考にならない警察のアドバイス

警察官からは

●教習所などでチェックしてもらって、まずご自身の能力低下を再認識することが納得した免許返納につながる。

●車庫に、クルマをぶつけたりしたときに家族が「もうそろそろ運転辞めたら」と、それをきっかけに返納を促したりする。 

今日、明日にも何とかしなければならないと思っているのに、そんな悠長な状況ではないと思いつつ、僕が期待していたすぐに実践して確実に効果が望めるような内容ではなかったです。

結局のところ、免許返納も返納後のことも、家族がサポートして何とかしなさいということなんでしょう。

 

第3者の医師から言ってもらえば納得すると思ったけれど

僕の手帳には、今年の2/21、3/7と3/14に2件の脳神経外科の名前が書きこんであります。

この日に、父を無理やり病院に連れて行った日です。

目的はもちろん免許返納ですが、認知症検査をしたことがなかったので父親の現状を知っておきたかったこともあります。

検査方法は、MRIによる『脳萎縮度を評価する』検査と看護師からの質問による『もの忘れ』の検査の2つでした。  

物忘れの検査は、野菜の種類を時間内にどれだけ回答できるか、看護師の言った果物をどれだけ覚えているか等、口答でのやり取りをしています。

そして問診票には、高齢の父親から車の免許を返納させたいのが目的と書き込んで提出しておきました。

10日後の結果は、認知症に限ればシロでした。

加齢による年相応のもの忘れのレベルだっただけに、父はこれで堂々と乗れるという顔をしていましたが、検査結果がどうであれ81歳の父に車は乗って欲しくありません。

医師も僕の意図をくみ取って、車は乗らないようにと強く言ってくださいました。

 

3/14は、2件目の病院に行った日。

1件目の病院は、認知症では無いのに運転はダメと言われ、こんな病院は信用できないと父はずいぶん怒っていたからです。

物忘れの進行を遅らせる薬を処方されたのですが、もちろん服用していません。

その時に、言っていた父の言葉がこちら

「何も悪ないのに、こんな薬一旦飲みだしたら死ぬまで飲み続けないとあかん」

「病院は、商売やからこうやって金儲けしよるねん」

ほんと、開いた口がふさがりません。

 

2件目の病院は、父が納得できる形にするため本人に病院を選ばせています。

こちらは、問診票がなかったので、仕方なく父親の前で運転免許の返納が目的だと言うこと。先日行った病院での検査結果を医師に伝えて、免許返納を促されたことを伝えました。

自宅に帰ると父は、やはり怒っていました。

あんな言い方すれば、シロでもクロになると言わんばかりでした。

まあ、そうなのですが(笑)

厄介なことに、次からは付き添いはいらない。

ついてくるなー!

と言わてしまい、適当に認知症検査の結果を聞いただけでは意味が無かったです。

 

結局、勝手に廃車するという最終手段

少しばかりの畑があるので、荷物を運ぶのに父親は長年軽トラを乗り継いできました。

僕も精米や灯油を買いに行くのに軽トラは便利でしたので、免許返納さえしてもらえればクルマは残しておきたかったのが本音です。

 

それにクルマを取り上げることによって、父がボケるのでは?

その心配もありましたが、他の誰かを傷つける可能性がある以上やむ得ません。

最終手段は、勝手に廃車と決めていましたので8/6に強行しました。

1時間ほどで、査定・手続き全て終了。

 

 

走行距離約7万、16年間乗っていたので処分料が必要だと思っていましたが、車検1年残っていたので査定してもらって5千円いただきました。

帰る時は、さすがに後ろ髪を引かれる思いでしたが仕方ありません。

自宅に戻って、父親に廃車にしたことを告げ5千円手渡しました。

今まで車の話になると、あれだけわめき散らしていたので廃車後の反応が恐ろしくてなかなか踏み切れなかったのですが、予想に反して父親は何も言いませんでした。

 

おわりに/国が高齢者ドライバーの年齢制限の指針をするべき

親のクルマの運転を、家庭内の問題として家族が何とかしなければならない現状に疑問を感じているのは僕だけではないと思います。

車庫にぶつけるなどしてきっかけがあれば別ですが、何もないのに本人の了解なくいきなり廃車にもできませんし、ごねる親にクルマを取り上げるのは相当な時間と労力が必要です。

結局、勝手に廃車という強硬手段を取りましたが、それでも父が少しでも納得できる形にしたかったので1年以上しぶとく説得しています。

おそらく僕がまだ会社勤めをしていたなら、父は今でも車に乗っていることでしょう。

メディア効果で、これから免許返納される方は増加すると思いますが、高齢者による悲惨な事故の根絶を願うなら年齢による線引きはやむ得ないと思います。

 

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シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。