台風から命を守るために何が必要なのか!?台風情報を読み解くために知っておきたい11のこと




自然現象は、美しいものほど怖いとよく言われますが、宇宙から見た台風は、この世のものとは思えない美しさです。

「地球の巨大な栓が、引き抜かれたようだ」

「現地の皆さんご無事で!」

宇宙飛行士のアレクサンダー・ゲルスト飛行士のツイッターの言葉です。

台風24号が、日本に上陸する直前のニュースで取り上げられていましたので、覚えておられる方も多いと思います。

僕は、このコメントを聞いたとき、1ヵ月前の台風21号を思い出して、これから来るであろうこの台風に恐怖しました。

台風21号で、我が家のベランダとカーボードの波板が飛ばされてしまい、自宅が持ち上がるのではないかと思うほどの凄まじい風に肝を冷やされました。

もう台風は懲り懲りですが、異常気象で、これから今年のように今まで以上に台風が来るかもしれません。

「自分の身は、自分で守る!」

自助(じじょ)という考え方が基本となるので、やはり最後は自己責任です。

自分だけでなく、ご家族や守らなければならない人のためにも、正確に情報を読み取ることが、自然の猛威から身を守る術になると思います。

宇宙から、巨大掃除機で雲を残らず吸い取ってくれれば苦労しないのですが・・・

今回は台風について、知っておくと役立つことがらをまとめました。

 

台風の大きさと強さとは?

気象庁は台風のおおよその勢力を示す目安として、下表のように風速(10分間平均)をもとに台風の「大きさ」と「強さ」 を表現しています。

「大きさ」は強風域(風速15m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲)の半径で、 「強さ」は最大風速です。

 

台風の強さ

台風の強さを決めるのは、この3つのどれかご存知ですか?

気圧、風速、雨量

 

答えは、上記のように風速です。

中心付近の最大風速によって、ランクが変わってきます。台風の強さを決めるのは、風の情報だけです。

 

台風の大きさ

大型、超大型の台風それぞれの大きさは、日本列島の大きさと比較すると以下のようになります。

 

 

さらに、風速25m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲を暴風域と呼びます。

どの強さであっても大雨になる可能性があるので、注意しなければなりません。

 

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                             引用先:ウエザーニュース

 

先日の台風24御号でみると、最大風速が50m/sなので非常に強い、大きさが大型なので風速15m以上の半径が500km~800km未満のサイズということになります。

「大型で非常に強い台風」というフレーズは、聞きなれた言葉ですね。

ちなみに、台風のその他のサイズは、雲全体が約1000kmくらいだとすると、台風の雲の厚さが10km~15km、目の直径が約100kmにもなるそうです。

台風の目の周辺の雲をアイフォールというのですが、台風が遠心力があるために台風の目ができるで、目がはっきりしているというのはそれだけ回転が速い、勢力が強いことを示しています。

 

台風と熱帯低気圧、この2つ何が違う?

 答えは、風の強さが違うだけです。

熱帯低気圧と台風は、そもそもは同じもので、熱帯低気圧が発達して、その最大風速が17.2m以上になると台風になります。

 

 

この風が違うだけですから、たとえ台風になっていなくても、熱帯低気圧は、雨の元になる暖かく湿った空気をたくさん持っているので、台風と呼ばれていなくても油断はできません。

特に前線に近づいてくると、どちらも湿った空気をどんどん送り込んで大雨になる危険があります。

 

台風の予想進路の見方

スーパーコンピューターが、予想している雨予想。台風の予報円というのは、日本独自のものです。

予報の円の中に、台風の中心がやってくるという事を示しているのですが、誤差も示されています。

ちなみに、気象庁から発表される予報円は、70%の確率で台風の中心が到達すると予想される範囲です。

台風の進行方向と直角に曲がったこの部分は方向の誤差台風の進路と同じ方向は時間の誤差を示して早く進むのか、遅く進むのかを教えてくれています。

 

 

台風はなぜ曲がるの?

広い太平洋で生まれた台風が、なぜ小さい島国の日本を的にするかのような動きをするのでしょうか?

それは、意思を持って日本を目指しているような動きにも思えます。

実は、台風そのものには推進力はありません。基本、他力本願です。

台風の進路を決定するのは、高気圧と偏西風にあります。

日本列島は、すぐ下に高気圧があって、上に偏西風が流れています。

 

 

台風は、高気圧の周りをぐるりと回って、いずれ偏西風に乗るとビューンと加速していくのですが、この高気圧が思ったより弱いと、偏西風も下がってしまいます。

そうすると、通り道が南に下がって台風の進路が日本よりになってしまうのです。

なので、高気圧が強まるか否かで、台風の進路は左右されます。

結局のところ、台風の進路は高気圧次第です。

沖縄の下あたりでほとんど動きがなく停滞しているのは、台風を流す風がほとんどないからです。

じわじわと北上をはじめて、だんだん向きが東に変わってくるのにも、ちゃんと理由があります。

日本付近に台風が近づいてくると、速度が速まるのは、上空の偏西風という西風によるもので、それにともない急激に天候が変わるので気をつけなければなりません。

また、夏は、日本列島に張り出している高気圧のおかげで台風は近づけませんが、秋には高気圧が弱まって下がってしまい通り道ができてしまいます。

秋に台風が多いのは、そのためです。

 

台風+秋雨前線=大雨

秋雨前線と台風が重なると、大雨という方式があります。

 

 

秋雨前線が停滞しているところに、台風が回り込んで湿った空気がぶつかることで、前線の雨が強化される現象です。

例えるなら、台風は空の給水車。海水温が高いことが原因で、どんどん湿った空気を送り込むので、台風が来る前から本州を中心に秋雨戦線の影響による大雨に警戒しなければなりません。

 

上陸しなくても危険なコース

台風が、徐々に北上してきたこのタイミングのそのあとに、どういうコースをとるのかが運命の分かれ道です。

日本海コース、太平洋コース、列島直撃コース、たどるコースによって3つのシナリオに分かれます。

 

 

北半球の場合、台風の進む右側の方が、風が強く危険な部分にあたります。

可航(かこう)半円とは、船が通れるという漢字を使い、航行中の船を熱帯低気圧の後方に運ぶように吹くので、脱出しやすく左側の部分の方が比較的風が弱い部分です。

 

①日本海コース

日本海を通ると、列島そのものが危険半円にあたるので、特に風が強くなり注意が必要です。

台風の東側、特に台風の中心の東50km内が一番風が強くなります。

 

②太平洋コース

台風から送り込まれる雨雲が強化されるので、大雨になる恐れがあります。

大雨は、先の西日本豪雨の被害が記憶に新しいですが、土砂災害を警戒しなければなりません。

 

③列島直撃コース

台風が、日本海側を通ると暴風、太平洋側を通ると大雨になります。

上陸して直撃すれば、大雨、暴風雨、高波すべての危険を併せ持っているので、やはり一番最悪です。

 

台風21号と24号どちらも大きな勢力のままで近畿を直撃。被害の差が出たのはなぜ?

僕の住んでいる、奈良県でのケースです。

先日、台風21号・24号同じような勢力の台風が近畿を直撃しましたが、被害の度合いが全く異なりました。

それは、台風の進路が大きく影響しています。

 

 

台風21号のときは、中心が兵庫県の神戸市のあたりに上陸した後、北よりに進んでいきました。

この台風が通過していっているあいだ大阪や奈良は、進路の東側、進行方向の東側、危険半円と言われる風が強まりやすいエリアに入っている時間が長かったので大きな被害が出てしまったのです。

一方で、台風24号は、和歌山県田辺市付近に上陸した後、奈良県の南部のあたりを通過していきましたが、中心付近の目の左あたりで、風が弱いところに入っていたため風が強まりにくかったために、大阪や奈良は被害があまり出ずに済みました。

少しの違いで、災害が発生する場所も変わるので、これらのことを把握しておくと役に立ちます。

 

風と被害の目安

30mで何かにつかまっていないと立っていられないレベルです。屋根瓦が飛散し始めるのもこれくらいからです。

トタンや看板などが飛んできて、外を歩いていると負傷する恐れがあります。

40mを超えると走行中のトラックが横転するレベルです。

先日の台風21号では、実際にトラックが横転したり、乗用車が強風でミニカーのように転がってしまいました。

50m以上になると、多くの樹木が倒れたり、ブロック塀が倒れる可能性があります。

 

 

すぐにできる「台風対策」

●雨戸やシャッターを閉める。窓ガラスに粘着テープ、カーテンを閉める。

●停電に備え、携帯の充電や車のガソリンを満タンにしておく。

●自転車・バイクはロープやチェーンで固定する。

 

ガラス対策

台風21号では、都市部に多いマンションなどで飛んできたものによって、窓ガラスが割れるケースが非常に多かったようです。ベランダの鉢植えなどは家の中へ入れておきましょう。

マンションは窓に雨戸がないので、飛んできたものがガラスに当たった衝撃でガラスが割れて、破片が室内に飛び散る可能性があります。

ホームセンターに売っているのですが、飛散防止フィルムだったり、カーテンの裾を粘着テープでとめたりして下さい。また、台風は、長くても3時間~4時間くらいで足早進んでいきます。そのあいだは、できるだけ窓のない部屋で過ごすことをお勧めします。

 

停電対策

車のガソリンを満タンにするのは、運転するためではなく車についているテレビで情報を確認したり、電気も車から取ったりできるためです。

 携帯電話は、ケーブルや予備バッテリーなど準備。また、画面の明るさを暗めにして、不必要な通知設定を切ってください。圏外なら機内モードにして、できるだけ節電した方が良いです。

 冷蔵庫は、できるだけ開けない。乳製品・豆腐・魚・作り置きの惣菜などは、冷凍庫へ移すのも有効です。アイスクリームは、溶けやすいので早めに処分して下さい。

 

避難の注意点

台風が接近して、雨や風が強まる前に早めの備えをして下さい。

高齢者など自分でどうしたらいいか分からないという方は、早めに避難所に行くことをお勧めします。

避難する際の注意点です。

●道路が冠水している場合には、足元が確認できずに転倒したり側溝やフタが開いたマンフォールに転落したりする危険があります。2人以上で行動し、傘や長い棒で足元を確認しながら避難して下さい。

 ●車の移動にも危険があります。浸水の深さが30cmに達すると、エンジンが止まり更に深さが増すとドアがあけにくくなるうえ車ごと流される場合があります。車が浸水したらすぐに外に出てください。

●避難しようとした時に、すでに浸水が進み周辺で土砂崩れが発生するなど、避難所に向かうのが危険な場合は、川や崖から少しでも離れた近くの頑丈な建物に移動するのも1つの方法です。自宅にとどまらざる得ない場合は、最後の手段として建物の2階以上や崖や斜面の反対側の部屋に移動することで安全を確保できる場合もあります。特に夜は、真っ暗なので気を付ける配慮が必要です。できれば外出を控える方が得策です。

 

周囲の状況をよく確認して行動して下さい。

 

災害の前兆を見逃さないようにデータ放送やハザードマップを活用をする

データ放送の活用

大雨や台風の際には、屋外に設置された防災行政無線が聞こえづらい場合があります。

情報の入手に、データ放送も活用して下さい。

テレビのデータ放送で、自治体から発表される避難に関する情報など確認できます。

リモコンのdボタンを押してください。

矢印キーで地域の防災・生活情報を選び決定ボタンを押します。

自治体からの避難に関する情報は、避難情報から見ることができます。

河川水位情報では、反乱の危険性が非常に高く避難勧告の目安となる氾濫危険水位や避難準備の情報の目安となる避難判断水位の川を確認できます。

この他、発表されている警報や注意報なども確認できます。

 

ハザードマップの活用

特に河川の水位に関しては、国土交通省のホームページから、自分の住んでいる川の堤防の高さと水位が細かく調べられますのでチェックして下さい。

国土交通省ハザードマップでは、自分で住んでいる水位だけではなくて、わがまちハザードマップ○○県○○市と入れると市町村のハザードマップのページに飛べるようにリンクされています。

何が分かるかというと、どれくらいの雨量になると自分の住んでいる地域がどれくらい浸水するか、川があふれるかということが分かります。

 

備えあれば憂いなしを心がけて/まとめ

異常気象で「今までの常識は、通用しない」という言葉を、最近よく耳にします。

強風でトラックが横転したり、屋根自体がめくれ上がって飛ばされる。滅多に見ないような光景が次々起っています。

台風は、雨が24時間ではなく短期間で降るので、急な河川の増水や土石流に細心の注意を払わなければなりません。

都市部でも、崖が近くにないからと言って油断しがちですが、一気に雨の量が多くなると排水しきれなくなって処理能力が追いつかなくなります。アンダーパスも要注意です。

予想をはるかに超えたサイズの飛来物が、マンションにぶつかって死傷者も出ています。

今年の一連の台風では、都市部の被害が大きかったのも特徴です。

まさか、まさかの事態が起っています。

今回の一連の台風で、今までの常識が通用しないと思い知りました。

 

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ABOUT US
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シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。