紙おむつの尿モレを防ぐために知っておきたい4つのこと




紙おむつは、介助する側にとっては介護負担を軽減してくれる神アイテム。

各メーカーから、吸収力、履き心地、消臭力など多機能なものが発売され、もはや科学の粋を集めたハイテク商品です。

そんな紙おむつをもってしても、これまで母の尿モレに悩まされてきました。

尿モレは、おむつ交換だけにとどまらず、衣服の着脱・洗濯などの介護負担にもつながるので何とか食い止めたいところです。

今回は、尿取りパッドを併用している人の尿モレ防止について、これまでの経験から解説したいと思います。

 

紙おむつの吸収回数はどのような姿勢を想定しているかご存知ですか?

吸収回数を、紙おむつを購入する判断基準にされている人も多いかと思います。

しかし、この吸収回数がどのような姿勢での表記なのか知っている人は少ないのではないでしょうか?

実は、僕も知りません。

正解だとは言い切れませんが、紙おむつのど真ん中で尿を受け止めたときだということは容易に想像できるので、おそらく仰向けで尿取りパッドなしの状態だと思います。

 

もし、そうだとすると利用者のどのくらいの人が当てはまるのか疑問です。

横寝の人もいますし、座っている時間が長い人もいます。

それに、尿取りパッドを併用している人も多いはずなので半分にも満たないかと。

当然ですが、利用者の姿勢で尿が流れる場所が変わります。

常に、紙おむつの中心に向かって流れるとは限らないので、吸収回数が購入する判断基準だともったいない買い物をしているかもしれません。

 

尿取りパッドを併用しても吸収量はさほど増えない

特に中心静脈栄養法、母がエルネオパを点滴する日は尿量が増えて尿モレに困っています。

使用している紙おむつは、5回吸収。

尿取りパッドは、日中2回、夜4回吸収。

 

最初に結論から。

5回分を吸収する紙おむつに、2回分の尿取りパッドを併用しても7回吸収にはなりません!

紙おむつの吸収量は、1回150ccで計算されているので7回分だと1リットルをカバーできることになりますが、母の尿モレは半分の500ccにも満たない量で起きているようです。

しかも、夜は4回吸収に替えているのにも関わらずモレてしまいます。

尿モレしたおむつをチェックすると、尿とりパッドの下半分は相当量の尿を含んで飽和状態なのに対して、紙おむつは背中の方に向かって小規模の範囲で濡れているだけです。

紙おむつのその他の箇所は、ほとんど汚れてないのにパジャマもシーツも濡れているのですから不思議に思っていました。

 

紙おむつの弱点は?まず尿モレの原因を見つけることが先決

紙おむつが、まだ吸収できる余白があるのに尿モレしてしまう原因に、紙おむつの淵(ふち)からのモレがあります。

姿勢によって背中側の淵や、横向きで寝られる人なら足の付け根あたりの淵が弱点です。

ちなみに、母親の尿モレは背中から。

いわゆる、背モレです。

寝返りが打てず、寝姿勢が仰向けだからだと思います。

仰向けだと、尿は重力に沿って下に流れるので背中の方に流れるのですが、パッドからはみ出すことなく紙おむつの真ん中を通過して端で押し出される形に。

尿モレしたあとをチェックすると、紙おむつの真ん中は無傷だったりします。

 

皮肉なことに、尿取りパッドが尿路となって直接弱点まで運んでいたのです。

それに、良かれと思って使っていた4回吸収の尿取りパッドが、通常のものより長かったことも災いしていました。

 

尿取りパッドが長いと、それだけ紙おむつの淵に近くなってしまいます。

今から思えば、尿取りパッドのサイズが合っていなかっただけですが、僕も吸収回数ばかりにとらわれ過ぎてこれらのことに長らく気づけませんでした。

 

横モレも、モレる仕組みは背モレと同じです。

違いは、おしっこが出る場所が紙おむつの淵に近いこと。

ピンポイントで尿が殺到すれば、1回分の尿量でも危うい箇所です。

実際には、尿取りパッドがあるので2回分くらいは持ちこたえられるかもしれませんが、とても紙おむつの表記回数はクリアできないと思います。

 

紙おむつよりも尿取りパッドを重視する理由は?

紙おむつと尿取りパッド、どちらの品質に重きを置かれていますか?

尿取りパッドを利用される理由に、交換が楽にできる、紙おむつの汚れが減る分経済的だからというメリットがありますが、1日に何度も交換する消耗品です。

吸収回数は気になっても、素早く吸収する機能など品質についてはさほど重視されていないように思います。

パッドはモレるものとして、最後は紙おむつで食い止めるのだから、尿取りパッドはできるだけ安価なモノを求められている人が多いのではないでしょうか?

しかし、尿モレがひどい人に限れば、紙おむつよりも尿取りパッドに重きを置いた方が上手く抑えられると思います。

それは、尿がパッドの下からではなく端からしみ出す構造に理由があります。

 

仰向けと座り姿勢で解説すると

実は、飽和した尿はパッドの下からは流れません。

なぜかと言うと、パッドの最下層に防水シートが敷いてあるからで、先程の仰向きのときの母のケースでもパッドと重なる箇所にダメージがあまりなかったのはこのためです。

仰向けと座り姿勢の尿の流れは、仰向けはパッドの勾配(こうばい)が緩やか、流出地点までの距離もあるのでしっかり吸収できますが、座り姿勢はいきなり弱点で尿を受け止めなければならない形になります。

パッドも上に向かって吸収しようとはしますが、さすがに重力には逆らえません。

そもそも、股の部分は紙おむつが細くなって面積が狭いです。

そのうえ、パッドが重なって吸収範囲も限られてしまいます。

これでは、吸収が追い付かなくなるのは必至。

足の付け根あたりから飽和、決壊するのは時間の問題です。

いずれにしても、紙おむつのど真ん中、いちばんおいしいところが機能する前に尿モレしています。

このように、紙おむつのポテンシャルを生かせない以上、尿取りパッドの品質を上げる方が得策です。

このような股下からのモレる場合は、股下あたりを広くして補強した尿取りパッドがあるので試してみてください。

 

 

おわりに

長年にわたる紙おむつの研究成果は、いかがでしたか?(笑)

あくまでも、母親の尿モレ事情なので男性については分かりませんが、注視すべきことは尿の流れる方向と流れ出る場所です。

尿取りパッドからモレ出せば、紙おむつが突破されるのは時間の問題と割り切って、紙おむつの吸収回数よりも状況に応じた尿取りパッドを選ぶことが尿モレ対策のポイントになるでしょう。

極端なはなし、尿取りパッドは高品質のモノにして、紙おむつはパッドからこぼれた尿を拾うくらいの感覚で安価なもので良いと思います。

尿モレが続くと気持ちが滅入りますし、精神的にも追い込まれてしまいます。

尿モレにお困りの方に、少しでも参考になれば幸いです。

 

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ABOUT US
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シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。