新・高齢者講習制度の認知機能検査とは。免許返納は年々増加するも・・




高齢者による交通事故が相次ぐ中、去年3月から始まった「新・高齢者講習制度」は、75歳以上のドライバーが運転免許書の更新の際に受ける認知機能検査です。

ここで「認知症のおそれ」と判定された場合、医師による診断が義務付けられるなど対策が強化され制度の見直しが行われています。

高齢ドライバーによる事故が社会問題になる中、奈良県でも去年1年間におきた高齢ドライバーによる人身事故は963件と全体の2割を超えているそうです。

年々死亡事故が減る一方で、高齢者が運転する死亡事故比率は増加しています。

先日も85歳男性が運転する車に、女子高校生2人がはねられ意識不明の重体という痛ましい事件があったところです。

免許返納を促す家族が、運転できないように車の鍵を隠す予定だったというのですが、事故当日なぜか予定より2時間早く自宅を出ていたと報道されていました。

そんな中、年末に公安委員会より一通のハガキが父親宛に送られてきました。

 

認知機能監査通知の内容

これが、父親宛に公安委員会より送られてきた認知機能検査通知書です。

 

父の誕生日が5月なので、半年前に案内通知が来ています。

ハガキの内容が分かりやすかったので記載したいと思います。

 

「認知機能検査」のご案内

あなたの運転免許証の有効期間が満了する日の年齢は   歳 です。

検査内容など

 

検査の根拠

運転免許証の有効期間満了日の年齢が75歳以上の方は、認知機能検査を受検した後、高齢者講習を受講しなければ運転免許証の更新ができません。    (道路交通法第101条の4)

受検期間

更新期間満了日前6か月以内

 

受検場所

右側ページの「検査実施場所一覧」の中から選んで予約してください。

検査内容

裏側3ページの「検査の主な内容等」のとおり。

検査手数料

650円

 携行品等

① 運転免許証 ②通知書(このハガキ)

③ 検査手数料 ④眼鏡等(必要な方)

⑤ 筆記用具

  注意事項

・認知機能検査の後、別日(後日)に高齢者講習の受講となりますので、早めに受検してください。

・指定された時間に遅れないようにしてください。

・検査実施場所によっては段階利用の場所もありますので、予約時に確認してください。

 

検査の主な内容

○高齢者講習の前に「認知症機能検査」を受ける必要があります。

検査は、検査と採点等で約1時間30分程度です。

検査内容は   

・検査時の年、月、曜日、時刻を書いてもらいます。   

・16枚の絵を記憶してもらいます。   

・時計を書いてもらいます。 ○認知機能検査は、再度、受けることが可能ですが、受けるたびに手数料(650円)がかかります。

認知機能検査の結果

記憶力・判断力等が低下していると判断された方は、医師の診断を受けていただくことになります。

 

検査受検後・更新までの流れ

 

検査受検後の高齢者講習

○検査終了後、検査結果による高齢者講習を受けていただきます。

○高齢者講習は別日(後日)の講習になりますので検査終了後予約をしてください。

ただし、「記憶力・判断力が低くなっています。」との判断を受けた方は、診断書の提出等の後、高齢者講習の予約をしてください。

○2時間の講習

認知機能検査の結果、「記憶力・判断力に心配ありません。」との判定を受けた方が対象です。

講習内容

講義・適正診断・実車指導

講習手数料

4.650円

※小型特殊免許のみを保有している方は、実写指導を除く1時間の講習で、講習手数料は2.000円です。

 

○3時間の講習

認知機能検査の結果、「記憶力・判断力が少し低くなっています。」又は「記憶力・判断力が低くなっています。」との判定を受けた方が対象です。

講習内容

講義・適正診断・実車指導・個別指導

講習手数料

7.550円

※小型特殊免許のみを保有している方は、実写指導を除く2時間の講習で、講習手数料は4.300円です。

 

○すでに自動車教習所などにおいて定められた期間内に任意の高齢者講習を受講されて終了証明書をお持ちの方は、この講習を受けなくても免許証の更新手続きができます。(一例として、チャレンジ講習に合格し、特定任意高齢者講習終了証明書をお持ちの方など。)

補足
病気等で運転に不安のある方は、事前に運転免許センターに平日に相談して下さい。

 

おわりに

高齢者による運転免許証の自主返納は、年々増え2016年には30万を超えたそうです。

去年、1年間に奈良県でも、運転免許の自主返納をした高齢者は、4809人と過去最高となりました。

一方で、認知検査の対象となる高齢者ドライバーも増え続けています。

奈良県だけでも、年間3万5千人にのぼり対応が追いついていないようです。

検査を受けるのに最大数ケ月待ちという状況が続く現状で、奈良県警は認知機能検査を担当できる警察官などを増やす方向で動いています。

おそらく、どの都道府県も同じ状況なのでしょう。

それでも、高齢者の交通事故は増えています。

例え、免許更新時は運転能力に問題がなかったとしても、お年寄りは1年で大きく状態が変わる方もおられるので、高齢者の認知機能検査をしても完全に食い止めることができるとは到底思えません。

この新しい高齢者講習制度を実施されてもうすぐ1年になりますが、はたしてこの水際作戦で今後どれだけの効果が期待できるのでしょうか?

本人の同意があれば、高齢者の親族が代理で自主返納をできるようにするなど、もう少し高齢者が自主返納しやすい環境作りも必要だと思います。

 

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シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。