近況:1日ひと口しか食べないことも!本来なら生死を選択する場面も変化に合わせた介助方法を考えよう




「何すんねん」

「やめてー」

介助するたびに、大声で叫びまくる母。

おそらく、隣近所に丸聞こえだと思います。

点眼や、入れ歯を外しているだけなのに・・・

もしや、虐待していると勘違いされているのでは?

そんなことを考えながら、大声を出す度に内心ひやひやしながら介助しています(-_-;)

 

母に、異変を感じたのは2月末頃。

突然、様子がおかしくなったので、一時的なせん妄だと思っていたのですが・・・

いつまで経っても、全力で介助を拒否するので対応に苦慮しています。

認知症の介護で困るのが、介助負担が重くなること。

費やす時間も増えますが、それ以上にこれまで行っていた介助が全く通用しなくなってしまうことに戸惑います。

我が家の場合は、つい最近まで行っていた介助が完全に過去のものになってしまいました。

現状は、僕にとっても未知の領域です。

試行錯誤しながらですが、母の変化に対応するため介助方法も変えているので参考にしてみてください。

 

親が食べない!高カロリー輸液で栄養面の対策を

とにかく、母親が食べなくなって困っています。

全く食べない訳ではありませんが、ひどい時だと1日1口のときも。

食べたとしても、たかだか20口までです。

何とか食べさせないと死んでしまうと思い、1日4~5回に分けて4時間以上食事に費やしているのですが・・・

無理にスプーンを口に入れようとすると、叫びまくって拒絶します。

本来なら、食べなくなった時点で親の生死をご家族が選択することになるかと思います。

延命処置をせずに、亡くなっていくのを待つのかどうかです。

僕も、母が死にたがっているのは分かっているので、延命はしないで自然に亡くなることを望みます。

しかし、今ここに元気な母がいるのに、みすみす亡くなるのは本意ではありません。

在宅医にも言われましたが、在宅で中心静脈栄養法をしているので対応が可能だということもあります。

なので、エルネオパ1号から、よりカロリーの高い2号に。

1週間の本数も、2本から5本に増やして対応していただいています。

 

僅かでも食べさせるための食事介助

点滴で栄養を補ってはいますが、食べ物を食べるために必要な筋肉や器官が衰えないように、僅かでも口から食事をさせようとしています。

これまでは、「はい」と声がけすれば口を開けていたのですが、今は首を振って口を堅く閉ざすことが多いです。             

しかし、しばらく経つと忘れるのか、何事もなかったように食べるときもあるので時間をかけて食べさせています。

車いすには長く座れないため、ぐったりしだしたら1~2時間寝かして、また食事という感じです。

 

変更したのは食事の回数とスプーンの形状

元々、食事は朝昼晩の3回でしたが、1食につき0~5口くらいなので4~5回に増やしています。

スプーンは、大きく口が開かないので小サイズに変更しました。

形状も普通のスプーンよりは、底がフラットになっている方が食べさせやすいのでアイススプーンを使っています。

まあ、一口の量が少なくなりますが仕方がないですね。

材質は、金属製のものを使用しています。

そこそこ、重量感があって肉厚の薄い方が食べさせやすいからです。

スプーンは、木製やプラスチックなど100均でも用途に合わせて揃うと思うので色々試されると良いと思います。

 

服薬介助は食事の次に大切なこと

1日の薬の数は、食前・食後が14錠。

就寝前が、3錠あります。

前述のように、食事もままならない状態です。

一旦、口を閉ざすと薬を服用させられなくなってしまうため、在宅医に相談しておかゆと一緒にスプーンに1錠ずつ乗せて服用させています。

困っているのが、就寝前の3錠です。

薬だけを、口に入れようとすると断固拒否します。

なんとか口に入れても、その場で吐き出すことも。

なかなか寝ないと思ったら、やっぱり吐き出してベッドに転がっていることもあります。

差湯(さゆ)も拒否するので、口の中で自然に溶けるのを待たなければならないのも辛いところです。

ちなみに、差湯なしで服用できるのは口をモグモグさせるからだと思います。

母は、1年ほど前から口部ジスキネジアの症状が出ています。

口部ジスキネジアとは、意図せず口をモグモグさせる症状がある病気で、原因はおそらく向精神薬の副作用です。

 

余談ですが、睡眠障害に伴い、睡眠導入剤が替わりました。

睡眠障害が改善したのは嬉しいのですが、起床後に車いすで居眠りすることが多くなりました。

在宅医から、服用させる時間を前倒しすると良いとのことでしたので0時から20時に変更することに。

時間をずらすことによって、午前中の居眠りはほぼなくなりました。

 

総入れ歯の着脱介助のコツと注意点

入れ歯は、入れるのは容易いのですが外そうとするとなぜか抵抗します。

入れるときは口を開くのですが、外すときは頑として口を開かないのです。

さすがに、入れ歯は洗浄しないと・・・

どうすれば良いか迷った挙句、寝入った頃を見計らって外していたのですが、最中に必ずといって目覚めてしまいます。

そして、大声で抵抗したあとは興奮冷めやらぬ状態になって朝まで寝ないパターンです。

入れ歯を外さなければならないけれども、睡眠を阻害してしまうジレンマ!

2か月ほど、このようなチグハグなことをしていました。

現在は、就寝前に外しています。

閉じている口に手を突っ込む、少し強引とも思える手法ですが致し方ありません。

身構えられるとさすがに実行できないので、言葉をかけずにいきなり手を突っ込んで外しています。

 

総入れ歯を外すコツと注意点

総入れ歯は意外に大きく、無理に外そうとすると口内を傷つけてしまう恐れがあるので注意が必要です。

総入れ歯を外すコツは、上下とも前歯をつまんで動かすこと。

順番は、下の歯が先です。

前歯をつまんで、奥歯のほうを持ち上がるように力を加えると簡単に外れます。

上の歯は、奥歯を下げるように力を加えると外れます。

また、総入れ歯の横幅は口の口角よりも広いので、直線的に取り出すことはNGです。

総入れ歯の出し入れのコツは、入れ歯を回転させながら行うこと。

奥歯の方を手前に持ってくるように回転させれば、口をあまり開かない母でもスムーズに取り出すことができます。

入れ歯の着脱の方法をググれば、詳しく載っているので検索してみてください。

 

おわりに

認知症の症状に伴う介助について、解説しましたがいかがでしたか?

実は、口腔ケアなどあきらめた介助もあります。

1つのことに固執してしまうと、食事介助など後の介助に悪影響を及ぼすのでやめました。

夜のおむつ交換も、嫌がるのを無理にするとテンションが上がって寝なくなってしまうので尿モレ覚悟でしないときもあります。

これまで行っていた介助を、継続したいのは山々なのですが・・・

まあ、あきらめの境地で割り切ることも必要かと。

僕はというと、母の暴言や意思の疎通ができなくなることによってモチベーションがだだ下がり・・・(-_-;)

と言うより、虚しい気持ちでいっぱいです。

とうとう、施設を視野に入れる段階にきているのかもしれませんね。

とは言え、これだけ手間取る食事をさせてくれる施設もないと思うと悩ましい限りです。

そう思うと、やはりもう少し状況を見極めてから・・・

もう少し、頑張ってみます。

 

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ABOUT US
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シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。