「あれ!こんなところにコブが!」
「どこかでぶつけたのかな?」
最初、気づいたときはわずかな膨らみでした。
それが、徐々に肥大化して10年後には500円玉大に!
後に、脂肪種(しぼうしゅ)だと判明することになるのですが、もっと早く対処しておけば良かったと後悔しています。
今回は、脂肪種とはどのようなものか、治療や費用について解説しますので参考にしてみてください。
目次
コブを10年間放置した結果
楽観的な僕でも、コブが少しずつ大きくなっていくのには参りました。
しかも、場所が最悪です。
前頭部のど真ん中。
額の髪の生え際、少し上にそれはありました。
膨らみが増すにつれ気になりだして、一日幾度となく触っては確認していたものです。
いくら触っても痛みなどの症状はありませんでしたし、コブだけに病院に行くこともありませんでした。
このまま何事もなかったかのように、コブが無くなってくれないかなと願いながら年月が過ぎてしまった!というのが正直なところです。
しかし、7~8年経つ頃にはパッと見ても分かるくらいに・・・
上司の中には「500円ハゲってそんなところにもできるの!?」
と真剣に聞いてくる人もいる始末です(-_-;)
確かに、500円玉が円墳のように盛り上がっていたので、そこだけ髪の毛が薄く見えていたこともあります。
「かかりつけ医」でコブの正体が脂肪種だということが判明
母が、大腸がんが元で人工肛門になっているだけに予防が目的です。
とは言っても、年に1~2度程度なのですが、主に血液検査、腹部のエコー、胃カメラと大腸の内視鏡は2~3年に1度検査してもらっていると言ったところでしょうか。
いよいよ何とかしなければならないという思いから、定期検査に行った際に相談してみました。
「おそらく、これは脂肪腫だね!」
「皮膚科に行けば良いよ。」
長年、気がかりだっただけに、病名があることにホッとしたのを覚えています。
さすがに、覚悟を決めて治療しようと思っていたので紹介状を書いていただきました。
脂肪腫(しぼうしゅ)とは
紹介された病院での診断は、やはり脂肪腫でした。
診察内容は、触診と痛みがあるかなど2、3質問されています。
「脂肪腫は、体に害を及ぼすことはほとんど無いのでおそらく良性だと思うけど、念のため検査をしましょう。」
「切除すれば、コブはきれいに消えますよ!」
このとき、医師からかけてもらった言葉です。
脂肪腫とは、体脂肪が沈着した軟らかいしこりで、皮膚の下にでき、円形や楕円形のこぶ状になります。脂肪腫は非常によくみられ、皮膚の下に発生し、滑らかで軟らかいこぶのように感じられます。硬さは様々で、かなり硬く感じられるものもあります。
脂肪腫の上の皮膚には異常はみられません。直径約7.5センチメートルよりも大きくなることはまれです。できる数も1個だけから、多数まで様々です。 MSDマニュアル家庭版
脂肪腫の見た目は、コブそのもの。
正確に言うと、皮膚の下にできる脂肪のかたまりです。
まれに悪性の場合もあるようですが、 検査の結果が良性だったことが唯一の救いです。
脂肪腫の原因・特徴
脂肪腫の原因は、分かっていないようです。
なぜか女性に多く、外傷等がきっかけとなって出来るケースや、遺伝が関係あるとも言われています。
脂肪腫のできやすい、できにくい箇所もあるようです。
発生しやすい箇所:前腕部、体幹、首。
比較的まれな箇所:顔面、頭皮、下腿、足。
その他に、脂肪腫について知り得たことが3つあります。
- 放っておいても治らない。
- 脂肪細胞が、突然変異して細胞がどんどん繁殖して肥大化する。
- 脂肪腫は、がんではなくがん化することもほとんどない。
僕の場合も、この3つすべてに当てはまります。
異なる点は、脂肪種のできた場所が前頭部だったこと。
加えて、両親とも脂肪腫がないので遺伝とも違うようです。
このように、脂肪腫は原因も含め謎が多いようです。
おでこの脂肪腫を切除する方法

診察3回目に、検査の結果が出て良性と判明。
医師から、手術の説明を受けています。
- 局部麻酔。手術時間は30分くらいの予定
- 脂肪種の部分の皮膚を、3~4cm切らなければならない
- 術後は、頭を固定して動かせないので1日入院が必要
おでこに脂肪腫がある場合、頭がい骨と皮膚の間に脂肪腫があるので皮膚を切って取り除くのだそうです。
おでこメスを入れるとなると、気になるのはやはり切り口の傷跡。
傷跡について、医師に尋ねると
- 切り口の傷は残るけれど、徐々に薄くなって目立たない程度になる。
- 切り口附近は、毛根が無くなるので若干髪の毛が薄く見えるかもしれない。
僕は、傷跡よりも髪の毛が薄く見える方が心配でしたので違う方法があるかも聞いています。
後頭部、髪の生え際に沿って両耳までぐるりと切り、襟元から脂肪腫ある前頭部近くまで皮膚をめくって取り出す方法があるそうです。
「年をとっても耳筋の髪の生え際は、髪が残る部分だし傷は目立たないよ」
と、提案してくださったのですが切るのは30cm以上、全身麻酔で2週間ほどの入院を要するとのこと。
最初の方法に比べると、身体の負担や費用もかかるので選択肢にはならないと思いますが参考までに!
切開手術の様子
おでこにメスを入れるのは抵抗がありましたが、このまま脂肪種が成長を続けるのかと思うと怖すぎます。
もちろん、500円ハゲと間違われるのもイヤすぎます(-_-;)
そう考えると、僕に選択肢はなかったです。
実際に手術した感想は、説明どおり皮膚を切って原因の脂肪のようなものを取り出すだけのシンプルなものでした。
痛みも局部麻酔のおかげで、ほとんど感じなかったですね。
ただ、「ガリガリ」「ガリガリ」と、頭上から振動が響くのは少し気持ち悪かったです。
スプーン状の棒でかき出していたようですが、棒が頭がい骨に当っているような感じでした。
その後、パチパチする音。
ホッチキスのようなもので縫合していました。
何しろ前頭部でしたので、目の上には布が覆い被さって音しか聞こえなかったです。
最期に医師が「よっしゃ!完璧」と、ポツリ。
医師の心の声も、しっかり聞こえていました(^^)
あまり実況する要素もなく、30分もかからず終わっています。
手術後、病室で一晩安静にしたのち、翌日のお昼前には退院。
一度、自宅に戻って午後から会社に出社しています。
術後の経過、通院回数と手術にかかった費用
手術した5日後に抜歯。
その1週間後、経過診察を受けて終了しています。
注意点というほどのことではないですが、頭部の切開手術の場合、顔面が腫れることが予想されます。
腫れは、重力に従って下がっていく性質がようです。
僕の場合も、手術した翌日にボクシングの試合のあとのような顔の腫れがありました。
医師から予告されていたので平気でしたが、顔面が腫れるだけに知らないとかなり焦ると思います。
頭部を手術した翌日あたりの外出は、控えた方が良さそうですね。
半日くらいで戻ると思いますが、個人差もあるかもしれないので、あらかじめ医師に確認しておいた方が良いでしょう。
あと、脂肪腫は切除しても再発する人もおられるようです。
同じ箇所、全く違う場所、できる箇所は人それぞれまちまちのようですが、僕は今のところ再発はしていません。
傷跡についても、薄っすら残っているだけできれいに治っています。
通院回数は、6回だったと記憶しています。
手術の費用は、一泊二日の入院費を含めて約8万円。
通院を入れても、約10万円弱で収まりました。
簡単な手術でしたし、費用も生命保険が15万ほど支払われてお釣が出たくらいです。
もし、腕など違う箇所でしたら入院も必要ないでしょうし、費用も安くなると思います。
おわりに
西梅田にある、大阪中央病院の皮膚科で手術しました。
僕は、紹介されて初めての受診でしたが、全般的にスムーズに事が運んで感謝しています。
脂肪腫を切除した感想を一言でいうと「案ずるよりも産むが易い」です。
長年、おでこのコブが何か気になっていただけに、あれこれ思い悩むよりもいざやってみて終わってみれば案外たやすかった。
そんな感じです。
7~8年経ちますが、術後のトラブルもなく傷もほとんど分からなくなっているので手術して良かったと思っています。