在宅介護を始めてみたけど、利用するサービスが思ったようにいかず不安や不満を抱えながら生活されている方もおられると思います。
そんなとき、誰に相談すれば良いの?
どうやって打開すれば良いのか?
介護をサポートしてくれるはずの介護サービスが、逆に精神的な足かせになっては本末転倒です。
在宅介護のメリットは、利用者が住み慣れた自宅で必要な介護サービスを低コストで利用できることにありますが、僕の経験から言わせてもらうと何らかしらストレスがかかり良いことばかりとはいきません。
むしろ、問題が出ることを想定しておいた方が良いかと思います。
今回は、そんなときの不安や不満を解消するためのコツや相談先についてまとめましたので参考にしてみてください。
目次
介護サービスの事業所を替えた出来事
以前、訪問リハビリに来ていただいていた理学療法士に、「5分遅れて来て、10分早く帰宅する」いわゆる時間をちょろまかす人がいてケアマネジャーに相談して事業所を替えていただいたことがあります。
これじゃ、40分が25分になってしまいます!
目の不自由な母なので、時間が分からないとでも思っていたのでしょう。
実際、父親が気づくまで分からなかったです。
母の介護に理解もなければ興味もない、日中外出する薄情な父親が気づくのですから日常的に行われていたのかもしれません。
まあ、当時は僕も働いていましたし自宅には母だけでしたので、たとえ泥棒が入っても仕方がないとは思っていましたが、一応ケアマネジャーに相談してしばらく様子を見ることに。
やはり、毎回行われていたので違う事業所に替えていただきました。
その際、事実を言って逆恨みされるのも気持ち悪いので、ケアマネジャーから本当の理由を告げずに上手く断ってもらっています。
何もしてくれなさ過ぎる「かかりつけ医」と「ケアマネジャー」
在宅介護を始めて早や10年。
そのあいだに、僕が長く抱えていた不安や不満が2つあります。
1つは、「かかりつけ医」と「在宅医」に対しての不安。
2つ目は、ケアマネジャーに対しての不満です。
医療的ケアの不安
医療ケアが必要不可欠な我が家にとっては、「かかりつけ医」と「在宅医」が上手く機能しておらず年月の経過とともに支障が出ていて不安な日々を過ごしていました。
「かかりつけ医」だった大学病院では通院して薬を処方してもらい、「在宅医」からは点滴するため訪問看護師が週3回派遣されていたのですが、ポート感染や腸閉塞になったときなどの緊急時は、どちらも知らん顔で連携も取れていなかったです。
当時を振り返ると、そもそも在宅介護をサポートしようという概念がどちらも無かったように思います。
今なら、高度医療を担う大学病院に在宅介護のサポートを求めること自体お門違いだということは分かります。
しかし、緊急時の受け入れすらできないようなら「かかりつけ医」の役割を果たすことができないというくらいの説明があってもいいのではないでしょうか?
説明があれば「かかりつけ医」を替えるという選択もできたと思いますが、当時はどうして良いのかさえ分かりませんでした。
あくまでも、現在と比較してはじめて分かることです。
ケアマネジャーに対しての不満
ケアマネジャーへの不満は、人それぞれ色々あると思います。
所属している事業所が運営するサービスばかりを組み込もうとする。
希望を聞き入れてくれず、望むような対応をしてもらえない。
経験値や知識が不足していて頼りない等々。
ケアマネジャーも人です。
相性が合わないことだってあります。
僕の場合も、最初の数年間はそんなに必要とは思えない介護レンタルのベッドやヘルパーの利用などを執拗に勧めてくるので相当うっとうしかったです。
困っていることなど尋ねられたことも無かったですし、支えてもらっている感も全く感じなかったですね。
在宅介護とはこんなものかと思う反面、決して上手く行っているとは思えない現状にケアマネジャーへの不振と不満は募る一方でした。
介護サービスに不満や苦情があるときの相談先
上記のように利用する介護サービスに不満があっても、サービス事業者に直接は相談しづらいものです。
そんなときには、下記の相談先があります。
「ケアマネジャー」に相談
ケアマネジャーは、利用者が必要としている治療や看護といった保健医療サービスから生活支援などの福祉サービスまでをマネージメントする役割を担っています。
「市区町村の介護保険担当窓口」に相談
相談や苦情の内容をもとに、市区町村で事業所を調査して指導します。
「地域包括支援センター」や「消費生活センター」に相談
地域の高齢者の総合的支援を行う「地域包括支援センター」で相談を受け付けています。
また、最寄りの「消費生活センター」に相談することもできます。
「国保連」に相談
市区町村での解決が難しい場合や、利用者が特に希望する場合は、都道府県ごとに設置されている国保連(国民健康保険団体連合会)に申し立てることができます。
「ネットサイト」を利用して相談
ネットサイトを利用して、相談されている方もたくさんおられます。
メリットは、匿名なので相談しやすいこと。
24時間いつでも投稿できることです。
ちなみに、僕は「安心介護」というサイトの介護相談をよく読んでいるのですが、投稿者の質問や悩みに対して経験者や専門家の回答がたくさんあるのでおすすめです。
参考までに、サイトを貼っておきます(安心介護)
介護サービスで生じる不安や不満など、大抵のことはケアマネジャーにお願いをすれば対応してくれると思います。
問題は、介護サービスに改善をお願いしても誠意のない対応をされたときや、そもそもケアマネジャーに不満があるときです。
何らかの理由で、ケアマネジャーに頼ることができないときや解決できないときは、「市区町村の介護保険担当窓口」や「地域包括支援センター」など第三者機関に相談してみましょう。
不安や不満を伝えてそれからどうしたいか問題点と課題を明確にしておく

上記の「かかりつけ医」と「ケアマネジャー」、この2つはいかんともしがたい問題として長年抱えたままになってしまいました。
当時は、知識が乏しいうえに忙しすぎて調べる余裕もなかったので「かかりつけ医」を替えることは難しいとは思っていましたが、ケアマネジャーに関しては正直違う人に替えたかったです。
ただ、今となっては「かかりつけ医」を替えることが〇、「ケアマネジャー」を替えることは✖で正解が逆だと思っています。
理由は、不安や不満を伝えてこの先どうしたいのかが明確になっているかどうかの違いです。
単に、上手く行かないから不満では、たとえケアマネジャーを替えたとしても根本的な問題が解消しないかもしれません。
僕の場合も、上手く行かない現状と相性が合わないことが手伝って不満に感じていたのだと思います。
現に、6年前に「在宅医」を現在お世話になる地元の総合病院に移してからは、大学病院の依存も減って不安も解消していき、おのずつとケアマネジャーに対する不満もなくなっていきました。
なので、不満に感じていた本当の原因はケアマネジャーではなかったということになります。
おわりに
僕は、在宅介護を継続するうえで複数の問題を抱えることを強いられましたが、結果的にはこれでかなり消耗させられました。
短期間ならまだしも、長期間これらの問題が待機していては仕事など他のことが阻害されまくりです。
しかも、解決の糸口すら見えないとなると・・・
本当に辛かったです。
僕の反省点は、誰にも相談しなかったこと。
何事も、分からないことは知っている人に聞くのに限ります。
また、気になることがあれば問題が大きくなる前に、日頃からケアマネジャーにはサービス状況などを細かく報告しておくことも必要かと思います。
会社勤めをしていた頃だったらありがたかったのですが、母をサポートする体制が一番安定しているのはこの2~3年なのですから皮肉なものです。
もちろん、コロナ鍋の世の中、在宅で介護ができること自体ありがたいと思っています。