たかが骨折しただけなのに、介護離職しなければならない羽目になるとは!
「何で!?」
母が、大腿骨骨折から退院してちょうど4年経ちます。
当時は、単に運が悪かっただけだと思っていました。
しかし、今はなくなるべくしてなったのだと理解しています。
「骨粗しょう症が、重症化すればどうなるのか?」
骨粗しょう症の本当を知れば、認識も変わると思います。
今回は、この4年間で骨折した3カ所の治療の経過、回復の度合いから骨粗しょう症について解説しますので参考にしてみてください。
目次
骨粗しょう症は、骨がもろくなって骨折を繰り返す病気です
母は、2016年に右足大腿骨を骨折して以降、ほぼ寝たきりの生活をしているのにもかかわらず、2018年右腕上腕、2020年にも右足膝付近を骨折しています。
右足大腿骨骨折
右足大腿骨骨折は、台所の敷居をまたぐため、歩行器から手を離したときに転倒したものです。
と言っても、柱にもたれかかりながらズルズルと滑り落ちた感じでしたので骨折するような衝撃ではなかったと思います。
これで骨が折れたことに驚きましたが、まして2度と立てなくなるなんて夢にも思わなかったです。
右足大腿骨骨折したときの様子は、こちらに記載しています。
右腕上腕の骨折
母親が、右上腕の骨折したときのレントゲン画像です。
人の骨が、こんなにポキッと折れることってあります!?

右側は1か月後、装具を付けた状態で違う角度から撮影したものです。
この画像だけみると、事故や激しいスポーツでの骨折みたいですが、実際には母をベッドから車いすに移乗しただけでした。

僕の首に腕を巻かせていたのですが、とても骨折するような加重はかかっていないと思います。
それでも耳元で、ボリっと鈍い音がしたので腕が折れたことはすぐに分かりました。
右足膝付近の骨折
膝付近の骨折は、僕の不注意で車いす乗車中に足をぶつけてしまいました。
画像は、ギブスを外す直前のものです。
新聞紙は、石膏が飛び散ってもいいように敷いています。

骨折してから10日後に、取り外しできる装具に移行。
褥瘡(じょくそう)を顧慮しての処置です。
最初の2つの骨折に比べて軽度で助かりましたが、それでも2か月ほど装具で固定しています。
このように、重症化した骨粗しょう症は簡単に骨が折れるのが特徴です。
高齢者の転倒で骨折しやすい箇所は?
高齢者の転倒のよる骨折する箇所は、「背骨」、「手首」、「太ももの付け根(大腿骨)」が多いようです。
手首・・・転んで手をついただけで骨折する。
背骨・・・骨がもろくなり、つぶれたり、割れるように骨折する。 気づかないうちに骨折し背中が曲がったり、背が縮んだり腰痛になる事もあります。
太ももの付け根(大腿骨)・・・つまずく程度の転倒で骨折する。 歩けなくなったり、介護が必要な状態になりやすいので要注意です。
骨粗しょう症だと、大した衝撃を受けていなくても骨折している可能性があります。
痛がっていたら、骨折を疑って対処するようにしてください。
骨折の治療方法!重症化した骨粗しょう症なのに手術をした結果
骨折の治療は、骨折した状態によって「保存療法」と「手術」に分けられます。
僕は、学生の頃に2度骨折しているのですが、ギブスで固定して骨がつながるのを待つ治療でしたので保存療法だったということになります。
母も、3度目の右足膝付近は軽い骨折でしたので保存療法でした。
問題は、手術を要する最初の2つの骨折です。
右足大腿骨頸部骨折のときは、ボルト入れて固定する手術をしたのですがボルトを留めるネジが抜けそうになるというまさかの事態に!
骨が、スカスカでネジ穴がバカになっているというのです。
このため立ち上がるどころか、一切加重がかけられない安静状態のまま現在に至っています。
しかも、感染症のリスクがある不要なボルトを除去することさえ困難だと言われているので手術をして踏んだり蹴ったりです。
なぜ、こんなことになったのか!?
術後に、ひどい骨粗しょう症だと判明するのですがすべては後の祭りです。
手術を要する骨折なのに保存療法を余儀なくされた結果

右上腕部は、大腿骨とは逆のケースです。
骨粗しょう症が重症化しているので、手術をすることなく保存療法に頼るほか方法がありませんでした。
医師からも、骨が完全に折れてつなぎ目がズレてしまっているので、本来なら手術が必要との説明を受けています。
手術は、骨を元の形や長さに戻すために、折れた骨を器具で整復を行ったうえで固定するのが目的です。
そうすることによって、母の場合だとズレた骨を真っすぐにつなぐことができるとのことでした。
手術する必要があるのに、保存療法になるとどうなるのか?
- 骨が、ズレたままつなげることになるので骨折箇所が曲がってしまう
- 骨どうしの接地面が少なくなるので、強度が弱い
- 骨のつなぎ目が密着していないと、骨が引っ付かない可能性が高い
母も、パッと見て右上腕部が曲がっていますし、接地面が1/3くらいしかないので腕にあまり負荷をかけることができません。
おむつ交換のとき、横向きにするためにサイドバーを握らすだけでもボッキと折れてしまいそうで怖いです。
骨がもろいうえに接地面が少ない、しかも利き腕となると母でなくても日常生活に支障が出ると思います。
診察内容、回復度合い、通院期間は?
まず、治療経過で 驚いたのは、半年、1年経っても骨が形成されているかどうかが確認できなかったことです。
骨の治癒過程は、以前の画像と比較することによってレントゲンで評価できます。
普通、1~2か月もあれば、骨折箇所の白さが増して行き修復されていく様が確認することができるのですが、母の骨折部分は1年前と比較しても違いが分かりませんでした。
通院が終える頃には、多少なりとも骨が形成されていたようでしたが、どれだけ回復しているかは未だに分かっていません。
通院期間は?
大腿骨骨折は約2年、右腕上腕は約1年半。
半年ほどかぶっていたので、実質3年通院しています。
通院頻度は、骨折直後は1か月に4回程度。
半年、1年後は、1か月に1回、2か月に1回と少しずつ間隔があくようになりました。
診察内容は、通院の度にレントゲンを撮っては比較を繰り返していただけ。
その間、処方されていたフォルティオという皮下注射を2年のあいだ毎日打つも、その後も2度骨折しているので効果のほども分からずじまいです。
まあ、診察と言うよりは経過観察。
結果的には、月日が経って痛みだけは治まりましたが、治療と言うよりは「日にち薬」です。
おわりに
今回は、骨粗しょう症が原因の骨折について解説しましたがいかがでしたか?
若い人なら1か月あれば完治する骨折も、骨粗しょう症だと数か月、年単位、中には母のように治療が完結できずに中途半端に終わる人もいると思います。
結局、大腿骨はボルトが取り残されて中途半端になっていますし、右腕は骨と骨の接地面が1/3もないので死ぬまで現状維持に努めるしかなさそうです。
骨粗しょう症が重症化すると、治療の手立てがないというのが率直な感想です。