大腿骨骨折は死の病!しかも高い確率で寝たきりになる




 「転んで骨折しただけなのに寝たきりに!おまけに認知症になってしまった。」

よく耳にする話ですが、実際に経験するとは夢にも思わなかったです。

昨年7月半ばに、母が右大腿骨を骨折してから1年3ヵ月が経ちます。

幸い、認知症だけは逃れられましたが、足はあきらめるしかなかったです。

母が骨折した一連の出来事で、こうして高齢者が歩けなくなるのだなとつくづく思い知らされました。

母のケースはごく1例かもしれませんが、あらかじめ知っていれば防げることもあるかと思います。

今回は、高齢の親が大腿骨を骨折したときの対処方や認知症と寝たきりのリスクについてお話ししたいと思いますので参考にしてみてください。

 

親がコケて足の痛みを訴えたとき救急車を呼んでいいの?

親が足に痛みを訴えて動けないようでしたら、骨折している可能性があるので無理せずに救急車を呼んでください。

もし、「かかりつけ医」を持っておられたら、救急車を呼ぶ前に「かかりつけ医」に連絡して指示をもらった方が後々の段取りが良いと思います。

僕も、うずくまっている母を前に、どうすれば良いか分からなかったので在宅医がいる病院に連絡を取っています。

母は、柱にもたれながらズルズルと滑るようにへたり込んだので、まさか骨折しているとは思っていませんでしたが、状況説明をすると骨折している可能性があるので救急車を呼んでくださいと指示がありました。

親が、これまで骨折したことが無くても、高齢者は思いのほか簡単に骨折するという認識を持っておいた方が良いと思います。

結果的に、母も大腿骨を思いっきり骨折していました。

 

救急車で運ばれた病院で、無駄な時間を過ごさなければならないことも

救急車で運ばれた病院は、一応内科はありましたが整形外科に特化した病院で、持病を持った母を手術することができないと言われ、最初からつまずいています。

結果、大学病院に転院されるまでの10日のあいだ、緊急搬送された病院で何の処置もされず、母はひたすら痛みに耐えなければなりませんでした。

高齢者の骨折は、いかにリハビリを早く行えるかがカギだと言うことは素人の僕でも知っています。

このもたつく状況に、どうすることもできない焦りとやるせない気持ちでいっぱいでした。

ちなみに、救急車で搬送されるとき、救急隊員には大学病院を搬送先に要望しましたが満床を理由に受け入れ拒否されています。

このときは、まだ定期的に大学病院に通院していたのですがこの病院は基本受け入れ拒否です。

 

大腿骨の術後、回復の兆しがないことに何かがおかしい

「元通り歩けるかどうかは高齢なので分かりませんが、特に難しい手術ではなかったので手術自体は問題なかったです」

8月初旬に、大腿骨の手術をした大学病院の医師からはそう言われていました。

右大腿骨の髄内(骨の中)にロッドを挿入し、スクリュー(ネジ)で固定される手術が行われたのですが、ごく一般的な術式だったようです。

8月末に転院する際も「リハビリ頑張って下さい」なんて言われて送り出されているので、リハビリさえできず寝たきりになるとは想像できませんでした。

10月に入ってもひどい痛みがおさまらず寝たきりで、転院先の医師は効く痛み止めを模索しています。

この時期、手立てのなさそうな病院の対応にとにかく苛立っていました。

まあ、転院先の病院からするとリハビリで受け入れているのに話が違うと思っていたことでしょう。

 

転院先の病院で重い「骨粗しょう症」と判明

9月末、ようやく痛みの原因が分かってきます。

原因は、骨粗しょう症が災いしているとの説明を受けました。

骨がスカスカで、大腿骨に入れたロッドを固定するはずのネジが抜け落ちそうになっているとのこと。

確かに、手術直後と現在のレントゲン画像を見比べれば一目瞭然です。

骨に差し込んだロッドを固定するために、垂直に入っていたネジの位置が全く違います。

ネジが、斜めになって本当に抜けそうでした。

このとき初めて、母はひどい骨粗しょう症だと言うことを知ることになります。

 

今頃、何言っているの?

内心、怒り心頭でしたが、転院先の整形外科の医師は週一度しかない非常勤医師でしたし、関係ないのでさすがに言えなかったです。

骨粗しょう症は、症状がなく気づきにくいため骨折してから分かるケースも多いようですが、母は闘病生活で16年間大学病院にかかっているので訳が違います。

 

術後の感染症は一番恐れていたこと

10月頃になると、自宅でも入れている低ナトリウム血症対策の点滴に加え、高カロリー輸液、痛み止め、さらに抗生物質が追加されるようになり、一日中代わる代わる入っていました。

痛み止めは、なかなか痛みを抑えられず最終的には鎮痛効果で2番目に強い鎮痛剤を使っていると医師から聞いています。

抗生物質の投与は、高熱が出て血液検査で炎症反応が出ていたためです。

この時点で、一番恐れていた手術による感染症を引き起こしてしまいました。

高齢者は、手術で抵抗力が弱ることによって術後、感染症を引き起しやすくなります。

加えて、長期間の寝たきりで体力も低下の一途。

高齢者にありがちな、弱り目に祟り目です。

 

さらに厄介なことは、炎症反応は出ているのに原因がどこなのかはっきりしないこと。

菌が異物に付着する習性から、CVポートは早々に除去されたのですが、足に入っているロッドやネジは再手術不可と言われていたのでおそらくこのあたりに原因があったのかもしれません。

抗生剤治療で菌を抑え込もうとしていたようですが、一向に熱が収まらずご飯も食べられないほどに衰弱してしまい、この時期点滴だけで命をつないでいます。

 

骨折して入院しただけなのに認知症の心配

11月頃になると、母の足の筋肉もすっかり削げ落ち誰が見ても、もう立ち上がれる感じではなかったです。

表情もうつろで口数も少なく、このまま入院が長引くと認知症になるのでは?と不安を募らせていました。

9月頃はまだ医師に、

何とか歩けるようにしてください

 

と言っていた僕も11月頃になると

足は諦めるので、認知症だけは勘弁してください

と変わっていました。

 

これ以上この状況が長引けば、たとえ骨折は治ったとしても寝たきりになるのは目に見えていましたし、認知症の恐れも出てきていたのでとにかく心配でした。

もう、リハビリどころではありません。

この時期、先が見通せない不安しかなかったです。

 

退院後の生活を考える!どこに目標を持ってくるかが大切

昨年の11月頃は、この状況を打開する何か良い方法がないかネットで大腿骨骨折についてよく調べていたものです。

しかし、「高齢者は、術後の死亡率が高い」だとか、やれ「リハビリ入院の実態の真実は、寝たきり製造入院」だとか、どうすれば歩けるようになるかを探しているのに ネガティブな記事ばかりヒットして探せば探すほどモチベーションが下がっていきます。

そして、これが現実なんだと改めて思い知らされました。

その中に、「リハビリの最終ゴールをどこに持ってくるかが大切」との内容の記事を読んで深く納得させられました。

現実を受け止めて、これからどのような経過をたどるのが母にとって良いかを考えよう!

そう考えたとき、認知症の回避その一点でした。

そのためには

できるだけ早く退院すること

それを妨げる高熱、ひどい痛みにメドを付けてもらうこと

退院後は、車椅子生活を目標にすること

 

医師に、このことを伝えました。

高熱は尽力いただいて昨年の12月にはおさまり、痛みの方は見切りでしたが自宅療養で様子を見ることに。

そして、今年1月末に退院しています。

もうすぐ1年経つ今も、2種類の痛め止めを服用していますが、最近ようやく母からの痛みの訴えも少なくなってきた感じです。

今思うとあの時、このようにせざるを得なかったのかもしれませんが、僕自身は現在の母の状態に納得しています。

 

おわりに

結局、母は今年1月末に退院するまで半年以上ベッドの上で寝たきりでした。

母が、再び歩ける可能性があったかを考えると、骨粗しょう症が重症化していたので骨折してからでは何をしても結果は同じだったと思います。

しかし、入院から退院までの一連の対処の流れをみたとき、これだけもたつくと歩ける人も歩けなくなってしまうでしょう。

高齢者が足を骨折しただけなのに、認知症や亡くなって思わぬ結果に陥った記事を見ていると、これだけかみ合わなくて段取り悪く物事が進むことも珍しくないと考えていた方が良さそうです。

僕の失敗の経験から、骨折したときのことを想定して親が元気なうちから骨粗しょう症の検査と、「かかりつけ医」があればに骨折したときの対処を相談しておくことをおすすめします。

 

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ABOUT US

シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。