CVポートについてレビュー!在宅で薬剤の投与や静脈栄養を検討されている方に




母は、7年前に低ナトリウム血症という病気で、ナトリウムとマグネシウムの継続的な投与をしなければならなくなりCVポートが必要となりました。

その3年後から、エルネオパによる中心静脈栄養法を開始しています。

自宅での中心静脈栄養法は、医療的な管理が必要となりますが自宅で療養できるので生活の幅を格段に広げることが可能です。

今回は、長年サポートをしている経験からCVポートについて解説したいと思いますので参考にしてみてください。

 

血管確保が困難な方にも!

母は、昔から点滴や採血する際、「血管が見つけにくい」と言われ続け、針が入らないことが悩みの種でした。

要介護になる前から、たびたび栄養失調でダウンしては入院していたのですが、なかなか針が入らずあざが無数に残って痛々しかったです。

母も、相当辛い日々を送っていたと思います。

通常、高齢になるほど血管が細くなっていくようですが、母の場合は口からの栄養摂取に限界があったので、なおさら血管もやせ細って行ったのでしょう。

結局、低ナトリウム血症という病気でCVポートを増設することになりましたが、おそらくこの病気も長年に及ぶ栄養失調状態が影響しているように思います。

点滴が入らない1つとっても、大腸がんから派生した栄養失調が連鎖して泥沼にハマっていますね。

入院するたびに、あちこち針で刺されて痛がる事を思えばCVポートの選択も良いのかなあとも思います。

 

CVポートとは?

これまでブログにもCVポートという言葉をよく使ってきましたが、ご存知ない方はこれが何のことか分からなかったと思います。

CVポートは、英語でtotally implantable central venous access device。

「完全に埋め込みできる中心静脈アクセスデバイス」と言う意味です。

中心静脈カテーテルの一種で、正式には皮下埋め込み型ポートと言われており100円硬貨程度の大きさの本体と薬剤を注入するチューブ(カテーテル)より構成されています。

血管内に刺したカテーテルを皮下に留置し、鎖骨下にこのポートと呼ばれる点滴を打つ台を埋め込んで、必要な時に体外から接続して薬剤などを投与できるようにするための小さな器具です。

 

CVポートの利点は?

母の闘病生活は、CVポートなしに成立しないくらい重要なものとなっていますが、患者さんの病気の症状や状態で利点も変わると思います。

あくまでも母の場合です。

自宅で長期療養できる

通常、栄養剤や薬剤を点滴する場合は入院が必要ですが、CVポートであれば在宅で療養することが可能になります。

母も、週3回の点滴が必要不可欠なので、CVポートがなければ一生入院するしかなくなり、CVポートがあるのと無いのとでは大違いです。

自宅療養が可能になる、これが最大のメリットだと言えます。

 

何度も血管に刺すことがない

上記のように血管が細く点滴確保が極めて困難な方は、針が入らず何度も刺し直しされた経験を持つ人も多いかと思います。

その点、CVポートは皮膚の上から専用の針(ヒューバー針)を刺すだけで確実に刺すことができるので苦痛を軽減できます。

 

刺激の強い薬剤を使用しても静脈炎を起こす可能性が低い

静脈炎とは、静脈に炎症が起こった状態で、炎症の徴候である発赤、腫れ、痛みなどが静脈に沿って出現します。

薬の中には、酸性の強いものや反対にアルカリ性の強いものがあるので、血管に刺激を与え重症化すると血管がもろくなってしまう可能性があります。

CVポートは、カテーテルの先端が心臓近くの太い静脈(中心静脈)に留置されるので、刺激の強い薬剤を使用しても静脈炎を起こす可能性が低いです。

 

高濃度の輸液を点滴することができる

中心静脈栄養と一般的な点滴の違いは、使用する期間と点滴で使用する薬液(輸液)の濃度です。

一時的な水分や、低濃度の輸液の場合は末梢静脈から点滴を行いますが、高濃度の輸液だと太い血管を利用する中心静脈栄養法になります。

 

点滴をしていても他のことができる

CVポートは、一定の時間をおいて点滴したり止めたりする使用に際して、使用しない期間には点滴ルートを取り外して完全にカテーテル管理から解放されるため外出や入浴も可能です。

母も、週1度火曜日に入浴業者にお願いしてお風呂に入れてもらっています。

ヒューバー針は、月曜日に抜いて水曜日に刺すサイクルです。

もちろん、点滴中でも両腕は自由が利くので元気な方なら読書や点滴台を引っ張ってトイレなど移動もできます。

 

欠点は?

実際に使ってみると、手続きやリスクもあるので良いことばかりとは言えません。

医療的な管理が必要

自宅で行う際には、点滴を処方する在宅医とそれをフォローする訪問看護師が必要不可欠です。

介護保険を利用してこれらの環境を整えることになるので、ケアマネジャーを専任して要介護認定を得る運びになります。

 

小手術が必要

局所麻酔で30~60分くらいで終わる簡単な手術ですが、体に埋め込むため小手術を必要とします。

傷が残ったり、埋め込んでいる部分が多少盛り上がって目立つのも欠点です。

普通の体格の人なら、CVポートが埋め込まれていてもそれほど目立たないかも分かりませんが、母は痩せているので留置したところがかなり膨らんでいます。

 

合併症のリスク、カテーテル感染のリスク

手術に伴うリスクは、埋め込み手術に関するもの、埋め込んだ後の合併症が起こる可能性です。

カテーテル感染については、CVポートや本体から静脈まで伸びているカテーテルは体内では異物です。

とにかく細菌は異物に付着しやすく、カテーテル感染のリスクが付きまといます。

在宅で管理するとなると、衛生面やポート部からのルートトラブルなどそれなりに気を付けなければなりません。

 

特別養護老人ホーム(特養)など普通の施設の入所は不可

CVポートの管理が必要な人が、特別養護老人ホーム(特養)など普通の施設には入所できません。

病院が隣接している療養型施設になるかと思いますが、いずれにせよ施設の選択肢がかなり狭まることを知っておいてください。

 

CVポートの主な対象者は?

医師から、CVポートの選択を提案されるのは主に下記の方が多いと思います。

  • 継続的な点滴治療や化学療法が必要な方
  • 血管確保が困難な方
  • 長期の継続した高カロリー輸液が見込まれる方
  • 胃ろうに抵抗がある方
  • 消化官機能を使えない場合 

 

刺激の強い薬剤投与や、 うちの母のように欠乏する成分を定期的に点滴で補わなければならなくなるとCVポートは必要不可欠です。

また、胃や腸など消化官機能を一時的に休ませたり、使えなくなったときもCVポートを増設して栄養補給するのが望ましいと思います。

ただ、単に口からの摂取が困難になったときは、胃ろうによる栄養療法もあるので悩ましい選択になるかもしれませんね。

僕は、胃ろうについては分かりませんが、高カロリー輸液だけの栄養摂取よりも胃や腸など消化器系の機能を使うので体のことを考えれば優先順位はCVポートよりも上だと思います。

それに胃ろうだと、施設の問題もクリアです。

 

おわりに

CVポートを留置して7年経つ経験から解説しましたが、いかがでしたか?

メリット・デメリットで考えると、両方それぞれに作用が大きいので逆に混乱して判断できなくなる方もおられるかもしれません。

それに延命治療のためのCVポートだと、ご本人の意向も伺わなければならないのでより難しい選択になるかと思います。

母の場合は、確かに延命治療のためのCVポートになりますが、食べることもできますし意思の疎通も会話もできるのでこれでまだ死んで欲しくありません。

CVポートで、在宅介護が可能になり自宅で静かに療養できることに感謝しています。

 

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ABOUT US

シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。