「身体障害者手帳の申請・取得の方法」を詳しく解説!適切な等級を取得してサービスを受けよう




先日、30歳の身体障害者2級の方が、国と区から年間総合計おおよそ96万円受給されている記事をみかけて金額の多さに驚きました。

おそらく障害年金だと思いますが、まずは身体障害者手帳を取得しておかないと何も始まりません。

僕は、知っていて申請しないと福祉サービスや医療費などの割引が受けられない、身体障害者手帳の制度そのものにいささか疑問に感じています。

なぜなら母は、体の状態に対して身体障害者手帳の等級が見合っていない時期が長くあったからです。

問題は、そのことに僕を含めケアマネや在宅医など母に携わる人たちが、4年前まで誰も気づけなかった認定基準の複雑さにあります。

知らなければ一生何も受給できない仕組みに、ルールの作り手側のうさん臭ささを感じているのは僕だけでしょうか?

今回の記事では、身体障害者手帳の重要性とどのような状態の方が障害認定を受けることができるかなど、障害者手帳の申請・取得の仕方を詳しく解説させていただきます。

 

障害者手帳とは

身体障害者手帳とは、身体障害者福祉法に定める身体上の障害がある人に対して、都道府県知事、指定都市市長又は中核市市長が交付する手帳のことです。

その目的は、身体障害者が健常者と同等の生活を送るために最低限必要な援助を受けることにあります。

言うなれば、障害者手帳は障害者の経済的負担をサポートしてくれる証明書みたいなものです。

現在、母は身体障害者手帳1級ですが、ストーマ装具の給付、医療費の助成、障害者控除など金銭面でのこの手帳の恩恵は計り知れません。

 

 身体障害者手帳交付の対象となる方

身体障害者手帳は障害程度により1級~6級に区分され、1級に近いほど重度の障害とされています。

申請の対象は、下記の9つの障害です。

対象となる障害の種類

●視覚障害

●聴覚又は平衡機能の障害

●音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害

●肢体不自由

●心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害

●ぼうこう又は直腸の機能の障害

●小腸の機能の障害

●ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害

●肝臓の機能の障害

出典:厚生労働省 身体障害者手帳制度の概要

 

身体障害者手帳の申請・取得の仕方

 提出先や相談先は、お住まいの市区町村の障害福祉担当が申請窓口となります。

身体障害者手帳取得のための必要書類

指定医師の診断を受け、市区町村に申請してください。

なお、申請に必要なものは下記の5つです。

 (1)身体障害者手帳交付申請書

 (2)身体障害者診断書・意見書

 (3)証明写真(横3cm×縦4cm、1年以内に撮影したもの)

 (4)印鑑(自筆により署名する場合は不要ですが持参しておいた方が良い)

 (5)マイナンバー

1,2の用紙は、市区町村障害福祉担当窓口にあります。

身体障害者診断書・意見書は、かかり付けの医師等に作成してもらい、申請書と併せて市町村窓口に提出してください。

注意
診断書・意見書は、都道府県知事等から指定を受けている医師でなければ作成できませんので、あらかじめ市町村窓口やかかり付けの医師にご確認ください。

 

個人番号(マイナンバー)の記載について

行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)」の施行により、平成28年1月1日以降、身体障害者手帳の申請には、「個人番号(マイナンバー)」の記載が必要になりました。

また、番号法の規定により、本人確認が必要になりますので、上記提出書類とは別途、番号確認と身元確認の出来る書類の掲示が必要になります。

なお、身体障害者手帳には、「個人番号(マイナンバー)」は記載されません。

 

身体障害者手帳の取得の流れ

必要書類さえ揃えば、あとは提出するだけなので申請自体は簡単です。

申請手順
  1. 障害福祉担当窓口で、申請必要な書類と医師に作成をしてもらう診断書を受け取る。
  2. 指定医に「身体障害者診断書・意見書」を作成してもらう。
  3. お住いの市区町村の障害福祉担当窓口に、「交付申請書」、「身体障害者診断書・意見書」、写真を提出し申請。
  4. 審査され、障害等級が決定します。

交付までに通常1ヶ月~2ヶ月程度かかります。

 

代理申請も可能です。

その場合必要になるもの

  • 代理権の確認書類 (委任状や申請者本人の健康保険証など)
  • 代理人の身元確認書類 (個人番号カードや運転免許証)

などが必要になります。

  

市区町村障害福祉担当課で手続きに関する相談を

お住いの自治体のHPには、身体障害者手帳取得に必要な書類や手続きの流れなど案内されていますので、あらかじめ市区町村のホームページで確認しておいた方が良いと思います。

都道府県のホームページでは「身体障害者診断書・意見書」や「交付申請書」の用紙がダウンロードできるところもあるのでチェックしてみてください。 

また、市区町村障害福祉担当課に行けば、担当職員が必要な助言をしてくれると思いますので詳細はご確認下さい。

身体障害者手帳の申請・取得の仕方についてはここまでです。

 

診断書が肝!障害のレベルを正確に把握するために

2019年に「特別障害者手当」の申請をしたのですが、このとき「肢体不自由」の検査を、理学療法士に40分ほどかけて測定しています。

この時の主治医は、今もお世話になる在宅医。

内科医ですが、特別障害者手当に必要な異なる診療科の診断書を得るために、検査の段取りをすべて整えてくれました。

対して、2014年に身体障害者手帳の再申請の時は、右腕右手が不自由というだけでちゃんとした測定を行っていません。

母は、まだ歩行できていたので障害の重度の違いはありますが、これで正確な審査ができていたかというと疑わしいです。

この時の主治医は、大学病院の消化器外科の医師。

そう思うと、大学病院で眼科もかかっていたのにも関わらず、身体障害者手帳についての助言がなかったのもうなずけます。

 

なぜこんな差が出るのでしょうか!?

ここからは、僕の憶測です。

医師の多くは自分の専門分野以外となると消極的で連携もあまりなされていない傾向があると僕は感じています。

「心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害」のような単独の分かりやすい障害なら診断書も1つで済むので医師から身体障害者手帳についての助言もあるかと思います。

しかし、複数の軽度の障害を合わせて総合的に判断しなければならないとなると、主治医の専門外の診療科の診断が必要になるのでカバーしきれないということになるのではないでしょうか。

まぁ、どの世界にもありがちですが、かかっている主治医の人格と能力の差と言わざるを得ません。

 

障害の程度が変化すれば再申請を!

現在身体障害者手帳を取得されている方でも、障害の程度が変化したり新たに障害が加わる場合には等級変更を行う必要があります。

母のケースです。

母は、4年前に在宅医を替える転機があるまでのおよそ16年間、身体障害者手帳の等級は4級でした。

母の身体の状態が大きく変わったのは、要介護になった7年前。

この時点で、再申請すれば1級になっていた可能性があります。

なぜなら、7年前と再申請した4年前とでは障害の程度にほとんど違いが無かったからです。

 

4年前、再申請に至ったのは、従来の在宅医では立ち行かなくなって在宅医を替えたことがきっかけでした。

この時、これまで鎖国でもしていたかと思うほど、たくさんの情報を得ることができています。

「身体障害者手帳は、障害の程度が変われば再申請できる」

「2つ以上の障害がある場合は足すことが可能で、障害のレベルを総合的に考えるべき」

「身体障害者手帳4級と2級では、医療費の助成や税の軽減の恩恵は全く違う」

 

母の場合、1つ1つは重度の障害でなくても、2つ以上の異なる障害を合わせることで身体障害者手帳2級にはなるはずだから再申請をするべきと指摘されました。

自分の無知さを恥じると同時に、自分自身でも身体障害者手帳について調べるきっかけになったのは言うまでもありません。

補足

指定医師の意見であっても、必ずしもそのまま等級が認定されるわけではありません。

  

20年前と4年前では障害の評価が違うことも

現在、母が所持している身体障害者手帳は4年前に再申請したものです。

その後、大腿骨を骨折して障害も重くなっていますが、すでに身体障害者手帳1級を取得しているので再申請はしていません。

ここには、4つの障害名が記載されています。

直腸機能障害 3級

小腸機能障害 3級

体幹機能障害 3級

視力障害 右〈手動弁〉0 左〈指数弁〉0.01 1級

 

すでに視力が重度の障害レベルでしたので、4級から1級にはなりましたが僕にはイマイチ腑に落ちないことがあります。

それは、直腸機能障害と小腸機能障害が4級から3級になっていることです。

20年前、直腸がんによる手術で直腸、大腸は全切除。

小腸もわずかしか残っていません。

臓器が無いのですから、今3級なら20年前も状況は同じなので3級のはずだと思うのですが、どのような理由で3級に繰り上げになったのか判断基準が分かりづらいです。

仮に、最初からどちらか3級であれば障害年金を受給できていた可能性もあります。

 

身体障害者手帳を取得して適切なサービスを受けるために/まとめ

このように、身体障害者手帳に該当するかどうかの基準は素人には分かりづらく医療や介護に携わる人ですら、どれだけ把握してアドバイスできているかも疑問です。

若い方なら、疑問や納得できなければネットなどいくらでも調べる手段はありますので、医師に知識を持って働きかけられると思いますが高齢者はそういう訳にいきません。

分からずじまいで、置き去りになっている方もおられるはずです。

高齢の方だと、身体障害者手帳の一連の手続きも困難だと思いますのでご家族が補助してあげた方が良いと思います。

上手く利用すれば、障害者の経済的負担をサポートしてくれるありがたい手帳です。

もし、よく分からず放置されているようなら主治医に確認されることをおすすめします。

最期に、身体障害者手帳の写真は運転免許証と違って基本的にその写真をずっと使います。

なので、なるべく写りのいい写真にして下さい。

この手帳に写る、20年前の母の姿を久々に見て懐かしく感じました。

 

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ABOUT US

シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。