もし、在宅介護をしているご家庭でコロナ感染者が出たらどうなるのか?
実は、我が家は家族全員が感染し、家族そろって自宅療養を余儀なくされてしまいました。
僕は、ほぼ引きこもり生活。
父の行動範囲も、高がしれています。
こんな我が家を、コロナが襲うとは・・・
第8波は、これまでのように会食・行動制限がなく、未登録者も多いようなので、よりコロナ感染が身近になったような感じがします。
高齢の親の生命を守る行動をするには?
介護者がダウンした場合は?
それに感染拡大を防ぐために介護サービスの停止や、訪問看護も感染対策をして自宅に入ってもらわなければなりません。
当然、在宅介護への余波は出てくるので対策しておいた方が良いでしょう。
今回は、我が家のコロナ体験をご紹介しますので参考にしてみてください。
目次
家族にコロナ感染者がでたら食い止める術はない
1月2日の深夜。
体調不良を訴える父親の体温を計測すると、38.6℃。
正月早々、最悪です。
最初に、体調に異変があったのは父親でした。
仮に、父親がコロナ感染していたとして、一番恐れることは母親にうつしてしまうこと。
体力のない母親にとって、コロナは恐怖でしかありません。
とりあえず、解熱剤を服用させて、翌朝県庁が開設している相談窓口に連絡することに。
僕としては、父親を病院に連れて行って陽性なら施設なりどこかで隔離して欲しかったのですが・・・
しかし、相談窓口の指示は明日まで自宅待機というものでした。
理由は、3つ。
- 病院に行っても、発症から24時間以内であれば陽性が出ない可能性があること。
- 体温が、37.2℃に下がっていたこと。
- 4日から、医療機関が動くから。
解熱剤が効いたのか、一旦熱が下がっていたことが大きかったのだと思います。
思惑とは外れましたが、どうすることもできないので翌日まで待つことにしました。
父親の隔離を徹底できず
父親に、コロナ感染している可能性と一室に隔離することを説明。
高熱を出した日から、自宅内でもマスクをして食事も3食部屋に運んでいます。
しかし、大人しくしていたのは高熱があった夜だけ。
翌日、熱が収まるとすぐに家の中をウロウロ。
いつもながら、奔放すぎる父親に手を焼いています。
「コロナかもしれんから、部屋から出たらあかん!」
何度、この言葉を発したか分かりません。
ただ、トイレも同じですし、一家全滅するのは時間の問題だとは思っていました。
次々と家庭内感染
3日の夕方、母がぐったりしているので熱を測ると38.5度。
コロナ感染が濃厚だと思い、慌てて訪問看護ステーションに連絡しています。
看護師には、これまでの経緯を説明して僕を含めた3人のコロナ検査をして欲しい旨を伝えています。
もし、母親が感染していれば、介護をしている僕も感染しているでしょうし、この際3人まとめて白黒つけてもらった方が対応しやすい思いがあったからです。
しかしながら、厄介なのは父親なんですよね。
隔離施設でじっとしているヤツではないですし、環境が変わることによって認知症が進む恐れもあります。
なので、母親が感染している場合は自宅で一緒に観ようと思っていました。
検査の結果は3人とも陽性
4日午後、「かかりつけ医」の計らいで往診に来ていただいています。
僕は、抗原検査だけでしたが、母と父は抗原検査とPCR検査も勧められましたのでお願いしました。
この2つの検査の違いは、抗原検査は20分くらいで検査結果が出るのに対し、PCR検査に比べると正確性が劣ります。
一方、PCR検査は結果が出るまで2~3日かかるそうです。
「かかりつけ医」は、正確性と少しでも早く判断するために両方したかったのでしょう。
まあ、鼻に綿棒を2回突っ込まれることになりますが致し方ありません(-_-;)
そして、夕方5時過ぎに3人とも陽性との電話がありました。
保健所の療養支援の内容
発生届対象者に限りますが、新型コロナウイルス感染症と診断されると、医療機関から保健所に発生届が提出されます。
これは、重症化リスクの高い方を保健所が療養支援するのが目的です。
我が家も、保健所から電話がありました。
医師が保健所へ発生届を出される方
- 65歳以上
- 入院を要する方
- 重症化リスク(※)があり、かつ新型コロナ治療薬または酸素治療が必要な方
- 妊婦
65歳以上の方、悪性腫瘍、慢性呼吸器疾患(COPD等)、慢性腎臓病、心血管疾患、脳血管疾患、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満(BMI30以上)、臓器の移植、免疫抑制剤・抗がん剤等の使用その他の事由による免疫機能の低下、喫煙歴 等のある方です。
保健所からは、発症日の特定と体調の経過など主に健康状態について尋ねられます。
具体的には、現在の体温・体調の具合、基礎疾患の有無、同居家族の状況など。
状況や症状によっては、自宅療養、入院または宿泊療養施設へ入所することになると思います。
我が家の場合は、在宅介護の状況や自宅療養を希望することを伝えたのですが、すんなり自宅療養になりました。
自宅支援の流れ
保健所の支援は、ざっと下記のような流れです。
- 感染者に連絡、健康状態の把握
- パルスオキシメーター、リーフレット送付
- 療養期間中のフォローアップ
- 療養終了
アイキャッチ画像は、保健所から送付されてきたものになります。
同封されているものは、パルスオキシメーターとリーフレット。
それと、パルスオキシメーターを返却するためのレターパックの3点です。
リーフレットには、安心して自宅療養できるように必要な情報や支援内容が記載されています。
例えば、パルスオキシメーターの使い方や緊急性の高い症状の解説、コロナに対応する医療機関リストや24時間対応する相談窓口などが案内されていました。
療養期間中のフォローアップに関しては、発症日から7日間は保健所から毎日電話があります。
体温、パルスオキシメーターの数値、体調を尋ねられるので、親の体調の変化や気になることがあれば、このときに相談するようにしましょう。
高齢者が注意すべきは肺炎
“第8波”の 特徴は、強いのどの痛みと肺炎と言われています。
肺炎と聞いて、ピンとこない方も多いのでは?
しかし、高齢者や基礎疾患がある方にとってはトリガーになりかねない恐ろしい病気です。
しかも、咳や痰を出す力が弱まっている人は、症状が現れにくいので重症化してからでないと気づかないことも多いよう。
自宅療養解除になって、しばらく経ってから容体が急変することもあるようなので油断は禁物です。
あと、「誤えん性肺炎」も要注意!
食物・だ液を誤嚥して、細菌が肺の中で繁殖することにっよって引き起こされる病気です。
それでなくても、「誤えん性肺炎」は高齢者にとって天敵なのに、コロナ感染によってものを飲み込む力が衰えてしまうことも。
親の異変に気づいてあげられるかが焦点になるだけに、症状がなくてもなんとなく元気がなければ「肺炎かもしれない」と疑う心構えをしておくことが大切です。
うちの両親も、父親は咳込んでいましたが母親はそれほどでもなく、こう言ったことも訪問看護師には伝えています。
言うまでもありませんが、自宅療養は親の体調判断は介護者に委ねられます。
命を守る行動をとることを最優先と心得て、重症化リスクがある、症状悪化など、緊急性が高いと判断した場合はすぐに「かかりつけ医」や緊急相談窓口に連絡してください。
感染に備えておきたいこと!
我が家のように、検査のために親を病院に連れて行くことが困難だというご家庭もあると思います。
迅速に感染を見極めるための対策を!
初動をスムーズにするためにも、陽性・陰性の是非を知りたいところですが、在宅介護だと白黒を判明させるだけでもひと仕事です。
「かかりつけ医」があれば、往診で検査ができるかどうか、入院の不可など相談しておきましょう。
また、ご自身で感染を確認するために、新型コロナ抗原検査キットを購入しておくことも一つの手です。
加えて、季節性インフルエンザの予防接種もしておいた方が良いでしょう。
我が家も、インフルエンザ対策はしていたので、父親に高熱がでたときすぐにコロナを疑えました。
解熱鎮痛剤の常備
以前、母親が発熱したときに処方されたカロナールが残っていたのですが、父親にも転用することができて非常に役立ちました。
市販の解熱鎮痛薬など、薬の常備は重宝するのであらかじめ購入しておくことをおすすめします。
食料や日用品の備蓄
外出できなくなると、食料問題が出てきます。
我が家は、たまたま正月だったこともあって年末に食料を買い込んでいたのですが、1週間分のストックは必要だという実感です。
食料の調達が困難なときは、食料品を配送している自治体もあるようなので役所や保健所に問い合わせください。
また、介護サービスを利用していれば、ケアマネジャーやヘルパーなど利用しているサービスで対応できるか相談するのも良いかと思います。
介護者がコロナ感染した場合の対策
介護者が、コロナに感染して動けなくなったら?
今回、僕は無症状でやり過ごせましたが、この状況になったときの答えが思いつきません。
保健所の支援は遠隔なので相談しても難しそうですし、結局のところ訪問看護にお願いするしかないような気がします。
ちなみに、我が家は週3回の点滴があるので自宅療養中も訪問していただけました。
玄関先で、フェイスシールドと防護服を装着。
ご迷惑をおかけして申し訳ないと思いつつ、我が家でうつすことなくホッとしています。
こればかりは、その場しのぎでしのげなさそうなのであらかじめケアマネジャーに相談して対策しておいた方が良いでしょう。
おわりに
在宅介護でコロナ感染したとき、想定しうる状況と対策を解説いたしましたがいかがでしたか?
しかしながら、我が家は散々なお正月でした(-_-;)
感染と引き換えに獲得した抗体も、無敵期間が1~2か月というのですからほんと嫌になります。
幸い、両親とも重症化することなく、在宅介護に復帰できたことがせめてもの救いです。
この先、新型コロナ感染症が5類に分類され、あらゆる規制が緩和されていくでしょう。
世の中的には仕方がないことですが、感染予防をしていても感染規模が拡大し、いつ感染するかわからない状況になると思います。
連日の報道からも、すでに医療現場や介護現場はひっ迫しているようなので、いざというときの備えをしておきましょう。