介護認定審査会とは!?介護認定の仕組みを深堀して上手に認定調査を受けよう




自宅での介護サービスの利用や、特別養護老人ホームのような公的施設に入所する際にも費用の9割を給付してくれる介護保険。

限度額や所得によっては8~7割の給付になるなど一定の制限はありますが、介護保険によるサービスを受けるには要介護認定の申請手続きが必要です。

今回取り上げる介護認定審査会は、申請者が直接関わることはないので大して関係なさそうにも思えます。

どちらかと言うと、ケアマネジャーが知っておくべき領域でしょう。

しかし、介護認定審査会には要介護度を決める最終決定機関としての役割があるので、申請者が上手に認定調査を受ける上でもその仕組みを知っておいた方が得策です。

すでに介護サービスを利用している方も、更新手続は定期的に行わなければならないので参考にしてみてください。

 

介護認定審査会とは

要介護認定は、2つの判定を経て決定されます。

1つは、コンピューターソフトウエアによる一次判定。

調査員の聞き取り調査と、主治医意見書の一部項目を元にはじき出されます。

2つ目は、専門職から構成される介護認定審査会による二次判定。

「一次判定の結果」「特記事項」・「主治医意見書」の3種類の資料から、介護保険の対象になるのか、どのくらいの介護が必要なのかを議論して二次判定を出します。

介護認定審査会の位置付けとしては、一次判定ソフトの推計では申請者の具体的な介護の手間について評価しきれないので、複数の専門家の視点からの判断を加えて正確を期するために設けられているといったところでしょうか。

ちなみに、介護認定審査会は市町村の設置です。

各市区町村長が、要介護者の保健、医療または福祉に関する学識経験を有するものから任命、二次判定は5名程度で審議されます。

 

介護認定審査会で議論される内容

介護認定審査会で行われる二次判定では、通常の例に比べ介護の手間がより「かかる」、「かからない」かの視点で要介護認定等基準時間と呼ばれる「介護の手間」の判断によって議論が行われます。

具体的な内容は、調査上の単純なミスの修正、調査員が選択に迷った項目、特別な医療、障害や認知症、高齢者の日常生活自立度など。

特に、要支援2と要介護1の振り分け特定疾病該当の確認は、介護認定調査会で判断されるべき項目です。

要支援2と要介護1の振り分けと特定疾病該当について

要支援2・要介護1は32分以上50分未満と、要介護認定等基準時間が同一のため認定調査と主治医意見書に基づいて介護認定審査会で判断されます。

特定疾病該当の確認ついては、第2号被保険者(40歳以上64歳未満)は介護保険制度における特定疾病により要介護(要支援)状態になっていることが認定の前提条件です。

この確認も、主治医意見書の記載内容に基づき介護認定審査会で行われます。 

 

要介護認定等基準時間とは

要介護認定等基準時間は、その人の「能力」、「介助の方法」、「障害などの有無」から統計データに基づき推計された介護に要する時間(介護の手間)を「分」という単位で表示したものです。

区分要介護認定基準時間
非該当要介護認定等基準時間が25分未満
要支援1要介護認定等基準時間が25分以上32分未満又はこれに相当すると認められる状態
要支援2/要介護1要介護認定等基準時間が32分以上50分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護2要介護認定等基準時間が50分以上70分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護3要介護認定等基準時間が70分以上90分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護4要介護認定等基準時間が90分以上110分未満又はこれに相当すると認められる状態
要介護5要介護認定等基準時間が110分以上又はこれに相当すると認められる状態

参考資料:要介護認定はどのように行われるか(厚生労働省)

注意
要介護認定等基準時間は、あくまで介護の必要性を量る「ものさし」なので、実際に家庭で行われる介護時間とは異なります。 

 

要介護認定等基準時間の対象となる介助の内容

 

要介護認定等基準時間は、「直接生活介助」、「間接生活介助」、「BPSD関連行為」、「機能訓練関連行為」、「医療関連行為」の5分野の区分毎の時間と「認知症加算」の時間の合計で算出されます。

難しい名が並びますが、日常生活における生活場面ごとの行為を分類しているだけなので、要介護認定等基準時間の対象となる介助を確認してください。

直接生活介助:食事、排泄、移動、入浴など清潔保持

間接生活介助:洗濯、掃除等の家事援助等

BPSD関連行為:徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末等

機能訓練関連行為:歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練

医療関連行為:輸液の管理、褥瘡(じょくそう)の処置等の診療の補助等

 

意外だったのは、家事援助や歩行訓練が介護度に影響すること。

僕も、今回調べてはじめて知りました。

その他の徘徊に対する探索なども、単純に評価される訳ではないとは思いますが、判断は調査員がするので上記の介助行為に当てはまるようなら詳細を伝えましょう。

 

特記事項の重要性

特記事項は、調査員が各調査項目の定義にうまく当てはまらない場合や判断できない場合、聞き取った内容や迷った理由を記載して審査会の判断を仰ぐための項目です。

なので、調査員は介護の手間・頻度を明確に記載して審査会で判断しやすいように記載しなければなりませんし、申請者も分かりやすく回答することで適正な要介護度取得に繋がります。

申請者の状態によっては、特記事項の記載内容をみて一次判定の介護度から重度変更される場合もあるようなので重要事項だと認識しておいた方が良いでしょう。

 

申請者回答例

調査員から、「食事」の介助について聞かれたら皆さんはどのように回答しますか?

「食事」は、介護度に大きく影響する場合もあるようなので、食事摂取の時間がどのくらいかかっているのか、介護の手間がどれだけかかっているのか、分かるように伝えることがポイントです。

母親の場合だと

自分では食べられないため、1口ずつ声がけしながら介助している。目が不自由なので口に入れるタイミングが合わないとスプーンが歯に当たったりしてなかなかスムーズにいかない。食事介助に、40~50分かかっている。

 

実は、母親の介助で一番大変だと感じているのが食事です。

もちろん、排泄介助や移乗介助もそれなりに大変なのですが、食べたがらずになかなか減らない食事の介助は僕の間が持たず苦痛でしかありません。

それに、咀嚼力(そしゃく)も落ちてますし、腸閉塞(ちょうへいそく)にも気を付けないといけないので食事を考えて作るのも一苦労です。

 

調査員は、「介護の手間」「頻度」を記録しているので知ろうとしているのはこういうことだと思いますが、前回の認定調査で質問の意図を理解していない僕は「全介助」と一言で済ませてしまいました。

その他の介助についても、詳しく伝えることによって重度・軽度変更の判断材料になるので「一部介助」や「全介助」と簡潔に回答するのはやめておいた方が良さそうです。

特記事項記入例文を見つけたので、サイトを貼っておきます。

申請者側からでも、参考にしていただけると思うのでご参考に!

参考資料:特記事項の記載内容のポイント (会津若松市要介護認定調査員現任研修会)

 

主治医意見書で申請者が注意すべきこと

今更ながら思うのが、元主治医たちが主治医意見書をちゃんと書いてくれていたのかどうかと言うこと。

主治医意見書は、一次・二次判定にかかわる重要な書類ですが、市区町村が直接「かかりつけ医」に取り寄せるので申請者が内容を確認することができません。

良くも悪くも、主治医のお任せです。

問題は、主治医が専門外の項目を把握して意見書を作成しているのかどうか?

改めて主治医意見書の様式を見ると、自立度や認知症、それに食生活など患者の状態について総合的な所見を求める内容となっており特記事項の欄まであります。

 

現在の在宅医と比べると把握度の違いは明らか

元主治医だった消化器外科の医大の医師は、日々たくさんの患者を診ているせいか、診察が希薄で雑。それに、他の診療科と明らかに連携が取れていなかったです。

その後の内科の開業医は、月1回訪問診療でさえも滞在時間が5分くらいで足早に次に行く始末。

共通するのが、両者ともコミュニケーションが全くと言っていいほど取れませんでした(*_*;

それに素人目にも疑問符が付く診察内容でしたので、専門外の項目についてどれだけ把握していたのか主治医意見書の信ぴょう性も疑いたくもなります。

 

現在の主治医が、これまでの医師と異なる点は母の体調の変化を見極めるためか、よく質問されること。それとしっかりコミュニケーションが取れていることです。

おそらく、在宅医のスキルを習得されている医師なのでしょう。

専門の内科だけでなく、手足の稼働域や母のメンタルさえもよく把握されている様子で主治医意見書についても安心してお任せできます。

健康長寿ネットというサイト内に、主治医意見書の様式があります。

リンクを貼っておきますので、主治医の把握度に不安がある場合は診察の折にでも意見書について話し合っておいた方が良いでしょう。(健康長寿ネット主治医意見書の様式

 

おわりに

今回は、要介護認定の最終判定を出す介護認定審査会について深堀しましたがいかがでしたか?

介護認定審査会にとっては、「一次判定の結果」「特記事項」「医師医意見書」はファイナルアンサーを導き出す3種の神器のようなものです。

これらを理解することによって、調査員の質問の意図が分かりやすくなったり、日頃行っている介助も伝えやすくなるかと思います。

要介護認定調査の目的は、申請者が生活に必要な介護サービスを受けるために適正な介護度を認定してもらい介護負担を軽減することにあります。

認定結果に納得できない事態にならないためにも、要介護認定について理解を深めて備えておきましょう。

 

この記事はこれらの資料を基にまとめています。

要介護認定はどのようにおこなわれているか(厚生労働省)

特記事項の記載内容のポイント (会津若松市要介護認定調査員現任研修会

主治医意見書の様式 (健康長寿ネット)

医師意見書記載の手引き(厚生労働省

主治医意見書は要介護認定にどのように用いられますか(船橋市

 

 

 

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ABOUT US
シンイチ
20年間、犬馬車のように結構まじめに働いてきた40代の元リーマン。 長らく会社勤めと在宅介護で消耗しきって、あえなく2年前に介護離職してしまいました。 介護は、それぞれの御家族にそれぞれの事情があります。 現代の社会問題に、このプログを通じて1人でもお役に立てれば嬉しいです。 長年、在宅介護をしている僕だからこそ、あなたに伝えたいメッセージがあります。