母は、昨年5月末に右腕を骨折して、年が明けた今もなお装具を付けています。
「半年以上経つのに、まだ骨がくっつかないの!?」
と驚かれるかもしれませんが、骨粗しょう症の影響なのでしょうか?
現在も月に2~3度、整形外科に通院しているのですが、なかなか良くならなくて困っています。
困っていると言えば、グロテスクな褥瘡が現れてびっくり!
褥瘡がひどくなると、なかなか治らないものですね。
こちらも、結構手こずっています。
今回は、在宅医の指導の下で行った褥瘡の処置方法をご紹介いたしますので参考にしてみてください。
目次
褥瘡は思いもよらない箇所にできることも
腕を、装具で固定して1か月。
まさかの骨折による副産物です。
骨折箇所から離れた場所を痛がる母を不思議に思い装具を外すと、画像を載せるには、はばかるグロレベルの褥瘡ができて驚いています。
思いもよらない箇所に、相当発見が遅れてしまいました。
母は、痛みを訴えていましたが、医師も僕も骨折の痛みだと思い込んでいたので、痛め止めは飲ませても装具を外すことはなかったからです。

画像のものは完治していますが、完治して3ヶ月以上経つ今もこれだけの傷跡が残っています。
直径、幅、深さもそこそこあり、クレーターの中は潰瘍(かいよう)になっていました。
それにしても、こんなに簡単に皮膚に穴が開くとは思いもしなかったです。
そもそも、褥瘡(じょくそう)とは?
こんな難しい漢字、母が褥瘡になるまで見たことも聞いたこともありませんでしたが、漢字は書けなくても褥瘡という言葉は決して忘れることは無いでしょう。
皮膚組織が壊死している褥瘡をはじめて見ましたが、そのくらいインパクトが強かったです。
ところで、褥瘡をネット調べるとすぐに出てきたのが日本褥瘡協会!
日本医師会や日本歯科医師会はよく耳にしますが、協会にも色々あるものですね(笑)
褥瘡とは、寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうことです。一般的に「床ずれ」ともいわれています。(日本褥瘡学会HPより)
褥瘡の初期の症状は、圧迫を受けた皮膚が周囲の皮膚に比べて赤くなる程度ですが、症状が進むと皮膚がただれて液がにじみ出たり、うみが出て潰瘍(かいよう)になります。
今回の症状が、ちょうどそんな感じです。
幸い、2か月で傷がふさがりましたが、在宅医によると半年経ってもなかなか改善しない人もいるようで、悪化した褥瘡は非常に厄介な病気だとのことです。
壊死した皮膚は取り除かなければ治らない
これまでも、お尻の上のあたりの仙骨部、肩のあたり肩甲骨部に赤みが出る程度の褥瘡は何度か経験しています。
その度に、透明ドレッシング材やキズパワーパッドを貼っていましたが、軽い症状だと患部を保護するだけで回復していました。
ただ、貼って治るのはあくまでも初期症状です。
今回は、さすがに無理そうでしたので訪問看護師に応急処置していただきました。
後日、在宅医に壊死した皮膚を何度かハサミで切り取って除去してもらい、あとのフォローは訪問看護師と訪問看護師が来ない残りの4日は、僕が指示されたとおりに毎日処置しています。
ちなみに、壊死した皮膚は取り除かないと治らないそうです。
傷が深い褥瘡は、ご家庭で手に負えるものではありません。
ばい菌が入ると、感染症の原因にもなるので自分で判断せずに必ず医師に診てもらってください。
在宅医の指導の下での処置方法
処置方法は、傷口の洗浄と塗り薬を付けるだけなのでご家庭でも簡単にできます。
準備するもの
今回、処方された薬は、画像のイソジンシュガーパスタ軟膏。

準備するものは、画像の3つです。
- ペットボトル(キャップをメウチで3~4カ所穴をあけておく)
- ガーゼ(アルスシルキーⅡ)
- ガーゼの上からフィルムを貼って固定するテープ(パーミロール)
処置の手順
①ぬるま湯で傷を洗浄
②水分をふき取る
③ガーゼに薬を盛る
④患部に薬が当たるようにガーゼを当てる
⑤ガーゼの上からフィルムを貼って固定
水分をふき取るのにガーゼやタオルでもいいですが、1/3くらいにカットした尿とりパットがあれば便利です。
これを、毎日繰り返し塗ります。
傷口を布で拭いてしまうと、炎症がひどくなることがあるので洗い流して洗浄して下さい。
ガーゼは25cm×25cmの大きめのサイズです。
四つ折りにしたり、カットしたりして患部に当てて使っています。
軽い褥瘡なら、患部に直接この透明ドレッシング材(パーミロール)を貼って保護もできます。
パーミロールは、皮膚の凸凹にぴったりなじんでよく密着するのでとても便利です。
しかも、剥がすときに皮膚表面の角質をほとんど剥離・破損しません。

水蒸気も非常に良く通すので、長時間貼っていても蒸れにくく、貼付中のかゆみも少ない
という優れものです。
褥瘡は悪化するスピードが早い
悪いことに1ヶ月前に、もう1つ悪化した褥瘡が出現しています。
確かに、装具が脇に当たって皮膚を圧迫する箇所でしたが、骨折部分とも近く脇を広げないと確認できない、まさかの脇の下でした。
今回も痛みを訴えていたので、装具を外して何度も確認していたのですが、装具にうみがべっとり付着して臭いニオイがするまで気づけなかったです。
こちらも、前回ほどではありませんでしたが、傷を確認するために脇を広げると傷口がパカッと割れて深そうでした。
褥瘡は早期発見して処置することに限りますが、中には寝たきりで痛みを訴えることが出来ない方や、うちの母のように痛む場所があいまいではっきり分からなかったりすることもあります。
とにかく、気づけばかなり悪化してしまった!
そんな類の病気です。
褥瘡は、思いのほか進行が早くあっという間に皮膚が破けて潰瘍になるので普段から注意してあげてください。
余談ですが、うみのニオイって強烈な臭さですね。
装具にこびりついた匂いは、除菌のウエットティッシュで何度もこすって汚れをふき取り、さらに消臭剤をスプレーしてもはなかなか取れない頑固さでした(笑)
おわりに

日にちをあけられない点滴があるので、年明け2日から訪問看護師に来ていただいています。
脇の、褥瘡の処置もしていただきました。
平成最期のお正月と言っても、我が家はまったくスペシャル感はありませんが、母が何事もなく自宅で正月を迎えられることが何よりありがたく思っています。
正月から病院通いで疲れて、身も心もヒモジイ思いはもう懲り懲りです。
こうして、自宅でお正月を過ごせることに、日頃から母を支えてくださっている皆さんに感謝しています。