毎日のように、高齢者ドライバーによる事故が大きく扱われる今日この頃。
運転をやめようとしない親を、危惧されている方も多いかと思います。
80歳を超えた親の運転が、危険なのか?まだ安全なのか!?
そんな心配をよそに、そのあいだも親は運転しているのですから悠長なことを言ってる場合ではありません。
僕も、運転はさせてはいけないと思いつつ、全く聞く耳を持たない父親に手を焼いてズルズルと先延ばしにしてきました。
我が家は、無理やり廃車にして円満とはいかなかったのですが、僕が免許返納させるにあたって実践したことをまとめておきますので参考にしてみてください。
父を説得するにあたり失敗したことは?
説得にあたり、失敗したなあと思うことが2つあります。
「何歳まで運転するの?」と尋ねたこと
父親に「いったい何歳まで運転する気?」と尋ねたことがあるのですが、すぐに85歳と具体的な数字が返ってきたので驚きました。
父には、87歳の兄がいます。
その兄が2年前まで車に乗っていたので、そこまでは大丈夫だと言うのです。
肝心なことはすぐに忘れるのに、その後何かにつけ85歳までの一点張りです。
すぐにでも運転をやめてもらいたい場合は、何歳まで?というような質問はしない方が良いかもしれません。
クルマの鍵を隠したこと
クルマに乗れないように鍵を隠したのですが、父親が合鍵を作ることを覚えてしまって傷口を広げてしまいました。
紛失したかも?と思うと、すぐスペアーキーを作るクセがついてしまって。
おまけに、予備のために2本作っているようで手に負えません。
そのうちに、クルマだけでなく自宅の鍵まで量産しはじめました。
今は、自宅の鍵が全部で何本あるのか?何本紛失しているのすら不明です。
本当に、用心悪いです。
鍵を隠しても、根本的な解決にはならないので注意してください。
まず親の運転能力を確認しておく!
ただ高齢と言うだけで、運転を辞めろとはさすがに言えません。
しかし、説得にあたり強く言わなければならないこともあるかと思いますので、親の運転能力をチェックして現状を知っておいた方が良いでしょう。
日頃から運転されている方なら、1回同乗しただけでおおよそのことは分かると思います。
父親の場合だと、車線変更の際の安全確認を怠っており、危険でしたのでその場でダメ出しをしています。
その他にも、車のスピードも高齢者ドライバーにありがちなトロトロ低速度。
運転操作も、ゆっくりマイペース。
動作にも全くメリハリがなく、チェック目的でなければ怖くて2度と乗りたくないレベルです。
数十年ぶりに乗る父親のクルマに、高齢になると運転能力がこんなに衰えているのに自覚できない怖さを感じました。
ちなみに、車線変更の手順は「①目視→②ルームミラー→③サイドミラー→④目視」の順番です。
- 自分の車の進行方向前方を目で確認する
- ルームミラーを用いて後続の車の有無をチェック
- サイドミラーで車線変更をしたい側の状況を判断
- 死角となる位置を目視
父は、4番目の直視が抜けていました。
ドアミラーに映らなかった車やバイクが、運転する車のすぐ横で走行していることはよくあることなので、ドアミラーの死角を直接見ることは絶対です。
その他にも、チェック項目はあります。
警視庁のホームページに、「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」があるのでリンクを貼っておきます。(運転時認知障害早期発見チェックリスト30)
認知症検査をして現状把握をする
加齢によるもの忘れのレベルなのか?認知症なのか?
初期の認知症だと、ご家族ではなかなか判別がつかないと思います。
もし、認知症だと車の運転はドクターストップになるでしょうし、早く分かればそれだけ適切なケアが行えるので、一度、病院で検査して現状を確認されることをおすすめします。
それに第三者の医師からの助言であれば、車の運転をあきらめてくれる方もいるかもしれません。
病院は、何科に行けば良い?
大きな総合病院や大学病院では、待ち時間も長く連れて行くのも一苦労です。
僕は、母の主治医に相談して、近くの脳神経外科のクリニックを教えてもらいました。
医師はどの病院が良いか、ある程度の情報を持っていますし、紹介していただけるならなおさら安心です。
最近は、認知症の診療を専門的に行う「物忘れ外来」も多く見られますので、ネットでも検索できると思います。
医師にどのように説明すれば良い?
初診でしたら、たいていの病院は問診票があると思います。
そこには、「認知症の有無の確認と、高齢のため車の運転を辞めさせたいため」と目的をはっきり記入しておきましょう。
以前、記事にも書きましたが、家族の意向をくみ取って父に運転は控えるよう言ってくださる医師もいます。
診察時に、親を前にして、医師にあれこれ言いたくないので、気になる事はあらかじめ問診票に書き込むのが、親と無用な波風たてたくない人にはおすすめです。
親が納得する説得方法の工夫をする
ただ、クルマの運転をやめて欲しいと言うだけでは、我が家のように喧嘩になってしまいます。
人を動かすためには、物心両面を駆使すること。
即ち、物的な事柄と心的な事柄の両方から心をくすぶることです。
サラリーマンだと給与アップの物的事柄、心的事柄は達成感や充足感が得られる環境づくりがモチベーションを継続させるために経営者が行わなければならないことになります。
親に関しても、免許返納を納得できるようにクルマの代わりの交通手段の確保や、これまで家族を乗せ、時には送り迎えをしてくれた感謝を言葉にすると親も心を開いてくれるかもしれません。
僕は、恨みしかない父親に説得のためのテクニックだとしても、心にもないことを言えるほど大人ではないので言いませんでしたが、普通のご家庭なら思い起こせば親に対する感謝がいっぱいあると思うので心情に訴えるのが結局は円満にいくような気がします。
おわりに
高齢者による悲惨な事故のニュースを観るたび、不快に感じていました。
メディアは、事実を報道しているだけかもしれませんが、恐怖心を植え付けられているような気がして・・・
「高齢者ドライバーの危険性」「自主返納」「家族の支援」、いちいちごもっともなんですが耳が痛いです。
世間の運気を盛り上げるのも結構ですが、有効な解決策が無い以上、結局は「各ご家庭で何とかしてください」と言うことなんでしょ。
聞き分けのない親を説得するのは、至難の業なんです。
あまり現場を、追い詰めないでいただきたい。
親の運転、子供として責任が持てない。せめて家族の同意があれば運転免許のはく奪を!
と叫びたくもなります。