親の服薬管理で、苦労されていませんか?
本来、服薬管理とは、服薬指導、薬の在庫の確認や調整をする医療行為のことを意味しますが、今回は薬の管理ができなくなった親に在宅で適切に服薬させるために知っておきたいことをまとめました。
目次
薬のシートを切ることは避けるべき
ある日、高齢者の突然の死。
死因が特定できないので死亡解剖すると、胸腔に膿がたまって重度の感染症を引き起こしていることがあるそうです。
犯人は、薬のアルミ包装のとがった角。
言われてみると、薬のシートはハサミなどで1錠ずつに切ってしまうと、誤飲を招きやすいサイズになるうえに切った角が鋭くなってしまいます。
これが食道の粘膜に刺さり、穴が空き、雑菌が入ることにより死につながると言うのです。
調べると、高齢者の家庭内事故に、錠剤やカプセルを包装シートのまま飲んでしまう誤飲が意外に多いのでご家族は注意してあげてください。
誤飲で思わぬ事故を防ぐためにも、薬のシートを切ることは避けた方が良さそうですね。
飲み忘れを防ぐために「一包化」にすると便利!
薬を飲み忘れたり、勘違いして同じ薬を重ねて飲んだり、見た目が似ている薬の飲み間違いも高齢者にはありがちな話です。
先日の母の離脱症状は減薬によるものでしたが、1日2錠を1錠に減らしただけでわずか4~5日で症状が出ています。
薬だけに怖いと改めて感じた出来事でしたが、飲み忘れでも同じことが起こり得るので注意が必要です。
会社勤めをしていた頃は、出勤前に「一包化」した薬を朝・昼・夕の3袋、テーブルに置いてあとは父親に託していました。
一包化とは、1回に何種類かの錠剤を服用する場合などに、それらをまとめて1袋にすることです。 飲み間違いや飲み忘れの防止、錠剤の紛失がなくなるメリットがあります。
デメリットは、「一包化」するのは面倒な作業だということ。
僕の場合、休日に直近の1週間分を一包化していたのですが、大量の薬をシートから出して1袋に詰め替えしなければなりません。
時間にして約1時間、なかなか骨の折れる作業です。
現在も、1週間分の一包化は継続しています。
今は、僕が母に服用させているので薬をシートから出さずに1回分を1袋にまとめているだけです。
毎食後に、その都度薬を準備するよりは時短で間違い防止にもなります。
薬を管理できない方は「かかりつけ薬局」を作っておくと便利!

親が薬を管理できないときは、かかりつけ薬局を作っておくと便利です。
薬局によっては、下記のような在宅医療をサポートする体制を整えているところもあります。
- 在宅訪問での服薬指導・薬学管理
- 残薬管理や薬の一包化にも対応
- 薬の配達サービス
- 夜間や休日でも相談できる
母の薬の中には、栄養剤のエルネオパという輸液が含まれるのですが、2週間分4本はかなり重いので僕も車で引き取りに行っています。
そう考えると、身近に補佐する人がいない高齢者は上記のサービスの利用は便利だと思います。
チェーン展開している大きな薬局だと24時間、薬の相談の対応しているところもあるので確認してみてください。
その他にも、薬局を固定するメリットは結構あります。
- 複数の医療機関で処方されている薬を一元管理してもらえる
- 薬の受け渡しがスムーズ
- 医療機関との連携が期待できる
うちは薬の種類も数も多のですが、いつも即日に準備してくれるのである程度ストックして対応してくれているのだと思います。
また、薬によってはジェネリックに変更の不可や、処方箋で分からないことがあれば直接「かかりつけ医」に確認してくれるのでありがたいです。
処方箋の有効期間には気をつけて!
処方箋には、有効期間が発行日を含めて4日しかないことをご存じですか?
特に、会社勤めをしている人は、帰宅時間に薬局が閉まっていたりして行きそびれてしまった経験を持つ人もいると思います。
僕も、薬局から処方箋の有効期限には気を付けてくださいと言われたことがあるのですが、それは眼科医に往診に来てもらったときのことです。
金曜日に往診があって、支払いに病院に出向いたのが週明け月曜日。
処方箋をもらって、その足でいつもの薬局に行ったのがぎりぎりセーフという具合でした。
すぐに処方箋を持って来たつもりが、指摘されて驚いているのですが、日曜・祝日などの休日も4 日間に含まれるので気を付けてください。
ちなみに期日を過ぎると、薬局で薬はもらえません。
再度、医療機関で受診し、新たに処方箋を発行してもらう必要があるので注意が必要です。
非常時に備えて予備薬をもらっておく
母が、体調を崩し食事がとれなくなってしまった!栄養剤の点滴を急遽増やして対応したまでは良かったが、あとで足りなくなってあたふたした。
往診日が、台風と重なって処方箋がもらえない!
こんなとき、慌てないためにも手元に1週間分程度の常備薬を持つようにしています。
あと、よく発熱を起こす方は、ロキソニンやカロナールを処方してもらっておくと有用です。
母の発熱は、ポート感染の可能性があるため、自宅である程度原因を見極めるために処方していただいています。
熱が出るたび救急車で運ばれていては、そのためにたくさんの人が動くことになりますし、薬の服用で治まればそれに越したことはありません。
持病など個々の症状にもよりますが、在宅医と相談して非常時を想定して準備しておくといざというとき慌てなくて済みます。
おわりに

薬の服用が、自身でできない母親。
薬を飲ませるだけでも、よく忘れる父親。
会社勤めだと、薬を服用させる時間に居合わせられない俺。
八方ふさがりでどうすれば良いの?
すべて我が家の出来事ですが、介護が始まった当初から薬1つとっても難しいと思うことが度々ありました。
特に、在宅介護と会社勤めとの両立は、都合がつかないことが多いので行き詰まることがあるかもしれません。
そんなとき、一人で悩まないでケアマネや役所の介護保険の担当窓口で相談してみてください。
必ず力になってくれるはずです。