先日、サービス担当者会議がありました。
「サービス担当者会議」って、なに?
ご存じない方もおられると思います。
すいません。実は、僕も知りました。
ケアマネジャーから、要介護認定更新後に主治医と打ち合わせが必要だとは聞いていたのですが、指定された日時にかかりつけ医に行くと、以前退院前カンファレンスに来ていただいた面々がおられるではありませんか!
このパターン、退院前カンファレンスとまったく同じです( ゚Д゚)
今回初めて参加してみて、在宅での「サービス担当者会議」とはどんなものかを僕なりに調べています。
内容とその目的をまとめましたので、参考にしてみてください。
サービス担当者会議とは
サービス担当者会議は、法律で開催が義務付けられています。
厚生労働省の規定の原文は、下記の通りです。
介護支援専門員は、サービス担当者会議(介護支援専門員が居宅サービス計画の作成のために、利用者及びその家族の参加を基本としつつ、居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者(以下この条において「担当者」という。)を招集して行う会議(テレビ電話装置その他の情報通信機器(以下「テレビ電話装置等」という。)を活用して行うことができるものとする。ただし、利用者又はその家族(以下この号において「利用者等」という。)が参加する場合にあっては、テレビ電話装置等の活用について当該利用者等の同意を得なければならない。)をいう。以下同じ。)の開催により、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有するとともに、当該居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。ただし、利用者(末期の悪性腫瘍の患者に限る。)の心身の状況等により、主治の医師又は歯科医師(以下この条において「主治の医師等」という。)の意見を勘案して必要と認める場合その他のやむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。
毎度のことですが、お役所の作成されるものって本当に難しいですよね。
文字が詰まって、息も詰まりそうです(-_-;)
それに、回りくどくて一読しただけでは理解できません。
要約すると、サービス担当者会議とは、これから介護サービスを受ける方や現在行われている利用者へのサービス内容が適切であるか、追加や変更すべきサービスはないかを、利用者、ご家族、サービスに関わる事業所の担当者が集まって検討する場のことです。
その目的は、利用者の状況等に関する情報を共有するとともに、ケアプランの原案の内容について担当者から専門的な見地からの意見を求めるために行います。
今回の「サービス担当者会議」の内容
今回は、ケアマネジャー、訪問看護師、訪問リハビリ、介護レンタル、主治医の代理の看護師、僕を含めた6人で行われています。
皆さん面識ある方ばかりですが、一同に会するのは母の退院前カンファレンス以来1年8ヵ月ぶりです。
内容としては、院内看護師から緊急時の対応についての提案がありました。
今年5月末に母が右腕を骨折したとき、僕が大学病院に搬送することを固執したせいで、かかりつけ医や訪問看護師に右往左往させて迷惑をかけてしまったからだと思います。
今となれば、母にとっても救急車で搬送した方が良かったのでは!と反省する出来事です。
骨折でも、緊急時はとにかく救急車を呼ぶ。
大学病院に受け入れてもらえない時は、救急隊員にまかせて一旦何処かの病院に搬送してもらう。
主治医から伝言された内容をもとに、僕と病院側の看護師、訪問看護師の3者で連絡の手順など打ち合わせしています。
あとは、レンタル中のベッドについてちょっとした質問を介護レンタルの業者の方にしたくらいです。
今回は、介護認定更新も現状維持でしたし、変更事項もなかったこともあって30分ほどで手短に終わっています。
「サービス担当者会議」と「退院前カンファレンス」の違い
「サービス担当者会議」と「退院前カンファレンス」。
どちらも利用者を支援するためのものですが、違いを知っておくと目的も明確になるので把握しておいた方が良いかと思います。
召集される参加者は?
利用者、ご家族、ケアマネジャー、医療従事者、介護サービスに関わる事業所の担当者が集まって話し合われるのは同じ。
「サービス担当者会議」と「退院前カンファレンス」の違いで参加者が変わるのではなく、利用者の介護度や家庭環境で必要となる在宅サービスの事業者が集められるといった感じです。
主催するのは誰?
「退院前カンファレンス」は、入院している医療機関の医療ソーシャルワーカー、もしくは院内看護師が、院内の関係職種やケアマネジャーへ連絡し、カンファレンスの日程調整を行います。
対して「サービス担当者会議」は、ケアマネジャーの主催です。
ケアマネジャーが、各在宅サービスの担当者に連絡して日程を調整します。
内容の違いは?
「退院前カンファレンス」の目的は、退院後の生活に必要な支援です。
そのために、病院が持っている患者の情報を在宅サービスの担当者へ情報提供をして退院するための道筋をつけます。
「サービス担当者会議」は、ケアマネジャーが居宅での支援を行うに当たりサービス担当者から専門的・具体的な情報・意見を得てケアプランに反映させるのが目的です。
開催されるタイミングは?
「退院前カンファレンス」は、文字どおり退院前です。
「サービス担当者会議」は、新規ケアプラン作成時、認定更新時、認定区分変更時に最低限必ず担当者会を開くことが運営基準で義務付けられています。
その他にも、長期の入院後や家庭環境に大きな変化が生じたときなど、利用者をバックアップするためにケアマネが必要と判断したときはいつでも開催することができる会議です。
行われる場所は?
「退院前カンファレンス」は病院で、「サービス担当者会議」は基本的には居宅で行うようです。
今回のサービス担当者会議は病院で行われましたが、母がお世話になる在宅サービス(訪問診療、訪問看護、訪問リハビリ)は、かかりつけ医が運営しているため病院で行う方が都合が良かったからだと思います。
「サービス担当者会議」はケアマネジャーの力量が問われる会議
病院側が主催だった「退院前カンファレンス」と比較すると酷かもしれませんが、どうしても比べてしまいます。
退院前カンファレンスは、医師や看護師、リハビリの理学療法士、それぞれの持ち場でそれぞれに退院に向けて課題を持ち寄って話し合われたので会議としての質も高かったです。
もちろん、それなりの準備をしてカンファレンスに臨んでおられたことでしょう。
以前、退院前カンファレンスをしていただいた時は、母の状態、家庭環境も一変したときです。
在宅介護を再開するには課題が山積していたこともありますが、その内容に感動すらありました。
それと比べると、今回の「サービス担当者会議」は相当見劣りしてしまいます。
終わってみれば、何のために呼ばれたの?
そう思ったのは、僕だけではないと思います。
わざわざ時間を割いて、出席してくださった皆さんに申し訳なく思ったくらいです。
進行役の力量の差を言っているのではありません。
せめて、会議の目的が分かるようにテーマを作って説明、それに対して前もって根まわししておかないと場当たり的な内容になってしまうのがオチだと言っているのです。
要介護認定更新時の必項だから仕方なく・・・
そう思わずにはいられない、お粗末な内容でした。
厳しい言い方をしますが、利用者に得るものがないと感じさせるような内容ならやる意味がありません。
医療の連携が不可欠な場合、医療従事者の出席を要望するべき
訪問診療や訪問看護で医療の処置を受けているのにもかかわらず、サービス担当者会議に医療従事者が出席していないケースもあるのではないでしょうか?
ケアマネジャーの中には、病院に声をかけにくい人もおそらくいると思います。
しかし、医療従事者を召集した方がいいのに、それができないどころか意見をうかがうことすら困難だとすると、本当に利用者にとって満足のいくケアプランが作れているのか疑問です。
「医療面」「介護面」の両視点から在宅介護を支援する必要がある場合は、利用者はサービス担当者会議が行われる前に医療従事者が出席されるかどうか確認したり出席を要望しても問題ないと思います。
医療従事者の立場から見ても、患者がどのような介護サービスを受けているかを把握できることはメリットです。
適切に指示ができるようになりますし、患者の生活上のニーズに応えていくための今後の参考になると思います。
ここもケアマネジャーの力量にかかる問題ですが、利用者からすると重要なポイントなので何とかしてもらいたいところです。
有益な場になるように準備をして臨もう
「サービス担当者会議」は「退院前カンファレンス」と同じく不安を和らげたり、情報収集の場でもあるので利用者のニーズを一気に満たしてくれる良い機会だと思います。
せっかく、日々の生活を支えてくださる担当者が集まるのですから、前もって疑問や要望、質問などおおよそのイメージを作って臨むことをおすすめします。
「退院前カンファレンス」については、過去の記事にも記載していますので合わせて読んでいただければ幸いです。
おわりに
長らく在宅介護をしているのに「サービス担当者会議」が初めてだと言うのも変だと思い、ケアマネジャーに確認したところこれまで父親が出席していたと言うのです。
父親に、聞いても知らないと言いますし、いくら会話のない親子でもサービス担当者会議に出席したなら言うと思うのですが・・・
それに、目の前で鳴っている電話すら取らない父親が勝手に出席していたなんて考えにくいです(-_-;)