目が不自由な母にとって、テレビは雑音でしかないようです。
僕が、母の食事の介助をしながらテレビを観るので仕方なく聴いています。
ある日、毎日のように流れるインディードのコマーシャルを不思議に思っていたのか
「インディードって何?」
と聞いてきたことがありました。
仕事を探す求人サイトだと答えると「ふ~ん」と返事がありましたが、この時はそれっきりでした。
ある日
数日後
さらに数日後
その後、トリバゴも同じように聞いてきたのですがトリバゴが言えません。
最初、ゴミ箱って何?って聞かれた時は笑えました。
一つ前の支店長も、アナログのことアナグロと言い間違ったりしていたので歳をとるとカタカナが弱くなるのでしょうか?
特に、年寄りはバ行が弱いような気がします。
今は、トビバコとトリカゴを行ったりきたり・・
時々チリバコです(笑)
気になってしまったので、トリバゴについて調べてみました。
トリバゴって何?
宿泊施設の料金比較サイトです。
会社の概要です。
会社名 |
トリバゴ |
創業 |
2005年/ 2012年エクスペディア・グループにより買収される |
事業内容 |
国内外の宿泊施設に関する料金比較を扱う、ウエブサイトおよびアプリ |
所在地 |
ドイツ デュッセルドルフ |
CMの印象でインディードの外資は意外でしたが、トリバゴはパッと見て外資の印象が強いですね。
ただ、てっきり米国だと思っていましたがドイツとはこれまた以外でした。
ちなみにTrivago(トリバゴ)の名前の由来はTrip Vacation Goの組み合わせだそうです。
トリバゴの仕組み
じゃらんなどたくさんある旅行サイトの中で、「手早くホテル予約サイトを比較できる」をウリにしています。
収入源は、トリバゴを通じてホテルに申し込むと、ホテルからまず予旅行代理店(予約サイト)に手数料が支払われます。
そのあとに旅行代理店から、トリバゴに紹介手数料が支払われる流れです。
ホテルが旅行代理店に支払うキックバックは、契約によって異なりますが宿泊費の10%前後ですのでトリバゴの紹介料はおそらく3%までだと思います。
ここは勘違いしやすいところですが、トリバゴはホテルの比較サイトであって旅行代理店やホテル予約サイトではありません。
なので、ホテルからではなく旅行代理店やホテル予約サイトから手数料が入る仕組みです。
サイトでは、たくさんある旅行代理店の価格を並べているだけで、あくまでも旅行代理店の営業を促進する役割です。
申込みの手続きも、トリバゴの検索ページから旅行代理店が運営するサイトに自動的に移動します。
トリバゴのサイトを見る限り、ホテルのだいたいの相場を調べたりするには、ひと目で分かるのでちょうどいいですし使い勝手も良さそうです。
そういう意味では、CMのうたい文句のとおりユーザーにとっては心憎い良いサービスだと思います。
同じホテル、同じサービスなのに宿泊料が異なるわけ
CMで金髪美人が、
「同じホテルなのに、予約するサイトによって宿泊料金が異なります。」
「でも、そんなことをホテルのフロントで聞けませんよね。」
って、問いかけていますが、なぜ同じホテル、サービスなのに予約するサイトが違うだけでCMのように料金が変わるのか不思議に思いませんか?
それは、サイトに掲載されている旅行代理店によって。宿泊料の仕入れ値(キックバック)が異なるからです。
通常、ホテルの仕入れ値は、旅行代理店とホテルとの提携の強さなどによって決まります。
つまりたくさんの人をそのホテルに動員できると、安く仕入れられるということになります。
旅行業のからくり
皆さんの中には、直接ホテルに予約して満室で断られたあと、旅行代理店で確認すると同じホテルが予約できたという経験をお持ちの方も多いと思います。
それは、旅行代理店があらかじめホテルと契約していて部屋を仮押さえしているからです。
ホテル側からすると、売約済みになっている状態なので、直接お客様から問い合わせが入っても提供するわけにはいきません。
その代わりに、旅行代理店は責任を持ってその部屋を埋めてあげなければなりません。
言い方が適切ではないかもわかりませんが、いわば集客ノルマのようなものを旅行代理店が背負うのです。
その見返りが、仕入れ値ということになります。
力がある旅行代理店になるほど、半年、一年、それ以上前から、前もって部屋を押さえているものです。
ホテル側にしても、閑散期だけでなく1年中、安定した集客が見込めますので、集客面での経営負担が減りその分ホテルの運営に力を注げるメリットがあります。
ちなみにこれは、ホテルだけに限った事ではなく、飛行機や観光地にも同じことが言えます。
航空会社も、閑散期だからといってダイヤを減らす訳にはいきません。
カラッポで飛行機を飛ばすくらいなら、燃料や経費を消却できるぐらいの赤字にならないギリギリの価格設定で、旅行代理店に販売しているのが裏実情です。
沖縄や北海道2~3万円台、海外でも激安のツアーをよく目にしますが、このコスパは旅行代理店の集客、送客力の企業努力の結晶です。
ホテル、交通手段、観光地を個々で手配すれば、パッケージツアー価格の倍以上の費用になってしまうこともあると思います。
例えば、沖縄AIR&ホテル¥19.800のパッケージツアーのチラシを見て、関空~那覇の通常のAIR代を調べると片道の運賃にもなりません。
送客力を駆使して、低コストで仕入れると同時に、電車、バスなどの移動手段や観光地などのキックバックも還元するなどして低価格を実現しているのです。
もちろん、キックバックの比率も送客力に比例します。
すべてのホテルで最安値が探せるとは限らない
大手旅行代理店だと、それだけパイプの太いホテルを数多く持っていますが、全てのホテルをモーラすることは不可能です。
また、中堅の旅行代理店でも、一件のホテルに特化して集中送客すれば、大手代理店よりも高いキックバックが得ることができ、大手旅行代理店より安く販売することが可能になります。
このように考えると、トリバゴがホテル比較サイトとして最安値を追求するには、どれだけ多くの旅行代理店を掲載できるかにかかってきます。
しかし、トリバゴの検索ページを見たところ選択肢となる旅行代理店の数が少なすぎます。
エクスペディアやTrip.comなど同じところが多く、常にユーザーに最安値を提供できるかというと現状はNOです。
限られた世界で、比較している印象です。
ただ、あのCMを見ていると錯覚してしまいがちになりますが、よくよく聞くと最安値が探せるとは金髪美女も言っていません。
あくまでも比較サイトです。
この記事はトリバゴに否定ではなく肯定/まとめ
ひと昔前は、旅行業の知識とノウハウを持っていれば、電話一本で独立開業できると言われていた業界です。
JTBや近ツーなど大手10社を除けば、一気に会社の規模も小さくなり家族経営の旅行社もたくさんありました。
しかし、時代は個人でも情報が簡単に取れるネット社会です。
ホテルとユーザーが直接つながることによって、今まであった垣根がなくなり、ホテルの情報も簡単に手に入るようになりました。
もちろん、その分ユーザーは賢くなります。
悲しいですが、取り巻く環境の変化に対応できない仲介業者は、無くなるのが世の常です。
この仲介業者がなくなる流れの中で、その仲介業者である旅行代理店(予約サイト)から手数料をとって商売をするトリバゴの商売の目のつけどころが面白すぎます。
しかもウインウインです。
ウィキペディアには、「2017年には収益の87%をテレビCMを中心とする広告費に投入、旅行サイトのテレビCM広告費としては突出した額」と記載されていました。
これは日本だけではなく、米国やオーストラリアなどでも同じく展開されていて、トリバゴの企業戦略のようです。
思いっきりがいいと言うか、やっぱりこの会社面白いです。
母は、完全にトリバゴ中毒にかかっています。